タイトル通り、『子供の科学』の1924~1945までに発行された巻の紹介本であります。当時の紙面や表紙も収録してあるのですよ。
私、『子供の科学』には縁が無く、これまでに一度も読んだことがなかった雑誌なのですが、今でも出版が続いているんですね~(びっくりした)。
そして、結構真面目に書かれていた雑誌だったんだと、ここも少々意外なのでした。
この時代に書かれた未来の都市や家庭についての記述は結構良い線行ってまして、『未来のニューヨーク』の図なんて、今のニューヨークと比べてもさほど違和感がないのです。
また、未来の家庭に関する考察では、オール電化の家なども想像されていて、これも実現しているところです。
なかなか良い予想なのですよ。
戦時中にも発行を続け(それを許してもらうために国策的な記事は書かざるを得なかったということなのですが)、短い期間のやむを得ない休刊を除き、現在まで連綿として続いている雑誌だったのですね。
戦時中の記事もかなり真面目でありまして、この類いの未来予想兵器などにはとんでもないものが登場するのがお約束なのですが、『子供の科学』ではそっちには余り行っておらず、現実的なところに踏みとどまっております(まあ、中には『怪力線』などというよくワカラン兵器への言及もあるにはありますが)。
ドローンの登場なども考えているのですね。
また、物資不足の世情から、ゴミの分別、リサイクルまで図解しているのには恐れ入りました。これ、今やっていることと大差ないですよ。
昔書かれた未来予想には、「攻めたな~(攻めすぎ)」というものが多く見られるわけですが、『子供の科学』は概ねそういったものとは一線を画していたようであります。
エネルギー資源や宇宙開発などに関する記事も、まあ当時としては良いところを予想しています。
人類の月着陸は2050年と予測しているのですが、現実にはもっと早く成し遂げられました。ここも、「もうすぐにでも可能」的な根拠のないうれしがらせ予測ではなく、かなり手堅い予測をしていたことがうかがえます。
まあ、中には優生思想などのトンデモ記事や、錬金術が実現したなどという嘘記事も見られるのではありますが(時の東大教授がそう言ったらしく、それをそのまま記事にしているのですが)、概ね真面目な雑誌と私は評価しました。
なるほど、こういう雑誌だったのねとなかなか関心させられたのでありましたよ。
読了時間メーター
□□ 楽勝(1日はかからない、概ね数時間でOK)/207ページ:2026/03/22
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