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 後深草院二条が書いた日記をマンガで読む。院の庇護を受けながら、他の男とも愛の遍歴を繰り返す。ふしだらな女かと思っていたけど…。

  • とはずがたり―マンガ日本の古典〈13〉
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  • 出版社:中央公論新社
とはずがたり―マンガ日本の古典〈13〉
『とはずがたり』は鎌倉時代に後深草院二条という女性が書いた日記です。宮廷での赤裸々な日常、恋愛遍歴が描かれています。興味を持ったのは先日読んだ『天皇家の存続と継承』で、法皇の庇護を受けながらいろんな男性とも関係があった女房がいたと紹介されていたからです。
 現代語訳も出てますが、まず気軽に概要を知りたいと、この「マンガ日本の古典」シリーズを選びました。

 二条が生きた鎌倉時代後期は、天皇家が南北朝に分かれていく分岐点なのだが、彼女は後深草院にも亀山院にも好意を寄せられいたという。二条は四人の子を産んでいるが、驚くことにその父親は、後深草院、雪の曙(西園寺実兼)、有明の月(性助法親王)と、それぞれ違っている。ただ、彼女がずっと思い続けているのは実兼さまです。

 男系を守るのは難しい。だから徳川家は男子禁制の大奥を作った。それに比べて宮廷の管理は緩やかだったと『天皇家の存続と継承』にも書いてあった。学者の中には(おそらく右の人)、これは日記ではなく彼女の空想を描いたフィクションだと主張する人もいる。それはそうだろう、これが事実なら”万世一系“が危うくなる(ここでは維持されているけど、他でも起きる可能性を否定できない)。

 作画はいがらしゆみこさん。代表作『キャンディ・キャンディ』は読んだことがあるので知っている。
 しかし、この古典をマンガ化するのは苦労したと思う。古語の現代語訳、和歌の解釈は専門家に聞いたとしても、登場人物が多くて人間関係が複雑。紙面も限られているから、展開を早くしないといけない。

 ところで二条のことだが、これを読んで好感を持った。
男性に言い寄られてただ流されるだけの受け身な女性ではなかった。立場上の制約はあるけど、自分の気持ちに素直で情熱的。だけど現実を見るドライな面もある。素敵な女性だと思った。


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  • 掲載日:2026/04/12
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