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 第1回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。久しぶりに読んだけど、やっぱりおもしろい。

後宮小説
 第1回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。1989年のことだから、今から37年前のことです。ファンタジーは好きだったのでニュースを見てすぐに買って読んだ。「おもしろかった」という記憶はあるが、ストーリーは全く覚えていない。
 今回、改めて読もうと思ったのは作者・酒見賢一さんの訃報を目にしたからです(私が知ったのは最近だけど、亡くなられたのは数年前のことらしい)

 中国を連想させる素乾という国の後宮が舞台。時代は“現代の暦“で1607年というから、日本では徳川幕府ができた頃か。先帝の崩御に伴い、新帝のための宮女が国中から集められることになった。
 銀河もそのひとり。田舎育ちで身分も高くない(父は職人)。なぜか役人の目にとまって、宮女候補として都に連れてこられた。

 後宮では寮(4人部屋)に入って女大学で房中術(セックスの奥義) を習う。話が下品にならないのは、角先生の哲学講義のおかげだろう。銀河は相変わらず自由に暮らしている。
 そもそも帝の寵愛を受けたいとか妃になりたいという願望がないのだから仕方ない。
 ところが皇帝の正妃に選ばれてしまう。帝も酔狂なものだ。もっともこれには帝暗殺計画に対抗し、敵を欺くという目的もあった。そんな経緯で始まった二人の関係だが、帝は次第に銀河に惹かれていく。ただ銀河はまだ童女だったので、性的な関係はお預け状態だ。
 
 このあと宮廷内の権力闘争と反乱で国は乱れていく。二人の運命も途切れてしまうのだが、爽やかな結末だった。

 久しぶりに読んだけど(ほぼ初読に近い)、やっぱりおもしろいと思った。
まず、史書を元に歴史的事実を振り返りながら物語を語るという記述法が斬新だ。あたかも本当にあった話のような気がして、その世界に入り込んでしまう。
 銀河のキャラクターも好きだ。好奇心旺盛で、いざという時でも冷静で度胸がある。帝の正妃になったけど、妖艶さとは全く縁がなく、反乱軍との戦いでは大砲をぶっぱなしている。なんと爽快な人物であろう。


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  • 掲載日:2026/04/14
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