morimoriさん
レビュアー:
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スイス北東部に表れた弱小豪族が、650年も王朝維持ができたのはなぜか。野心と底力を持ったルドルフ一世から、ハプスブルク帝国最後の皇帝までの主だった人たちが絵画を通して語られる。
ハプスブルク家と言えば、マリーアントワネット、マリアテレジア、そしてエリザベートくらいしか知り得なかった。中野京子氏の怖い絵シリーズを読んで、絵画を通してハプスブルク家のことに関心を持ったもののフェリペ二世と言われると「あれ?誰の子だった?」と途端に混乱を催す。「なかなか、世界史はねえ~」と思っていたのが、親切にもハプスブルク家家系図や13世紀半ばの勢力図などが記載されているので「おや?」と思うたびにページを戻しそうかそうかと確認しつつ読み終えた。
絵画を通して語られるハプスブルク家の面々は、非常に興味深い人物ばかり。宮廷画家特有の阿りが入った完成品は、中野氏の解説がなければ絵そのものを信じてしまう。「なるほど、髭があれば顎のシャクレが目立たないんだ」とか血族結婚の果ての障害や早逝など現代では信じられない婚姻が、あたりまえのように繰り返し行われてきたことに驚かされる。
ハプスブルク家の家訓によって婚姻外交が行われたという。それが、長きに渡って続けられたのだからもうスゴイとしか言いようがない。日本の徳川幕府でさえ260年余り、武家社会でも政略結婚があったにせよヨーロッパとはスケールが違う!もう、へえ~と関心しつつ読み続けてなんとおもしろいことか。
12章に分けてハプスブルク家の人々の肖像画などを中心に語られた中で、一番スゴイと思ったのが、マリア・テレジアの政治手腕と采配だ。自身は、恋愛結婚の末16人もの子どもを産みながらも、娘たちを政治のカードに使いつつ、体の弱い娘には女学校を建てその校長にしたり。マリア・テレジアの王者的決断プラス、運命の皮肉という記述には、スゴイ女帝であり、怖い母親だったんだ~と改めてハプスブルク家の運命にも驚いた。
現在国立西洋美術館で開催中の「ハプスブルク展」。10年前、国立新美術館にて開催されたハプスブルク展ではエリザベートの美しい肖像画にただただ、見とれていましたが今回はハプスブルク家の予備知識を勉強したのでちょっと違った楽しみ方ができそうです。
では、美術館でお会いしましょう。 !(^^)!
絵画を通して語られるハプスブルク家の面々は、非常に興味深い人物ばかり。宮廷画家特有の阿りが入った完成品は、中野氏の解説がなければ絵そのものを信じてしまう。「なるほど、髭があれば顎のシャクレが目立たないんだ」とか血族結婚の果ての障害や早逝など現代では信じられない婚姻が、あたりまえのように繰り返し行われてきたことに驚かされる。
「戦争は他の者にまかせておくがいい、幸いなるかなオーストリアよ、汝は結婚すべし」
ハプスブルク家の家訓によって婚姻外交が行われたという。それが、長きに渡って続けられたのだからもうスゴイとしか言いようがない。日本の徳川幕府でさえ260年余り、武家社会でも政略結婚があったにせよヨーロッパとはスケールが違う!もう、へえ~と関心しつつ読み続けてなんとおもしろいことか。
12章に分けてハプスブルク家の人々の肖像画などを中心に語られた中で、一番スゴイと思ったのが、マリア・テレジアの政治手腕と采配だ。自身は、恋愛結婚の末16人もの子どもを産みながらも、娘たちを政治のカードに使いつつ、体の弱い娘には女学校を建てその校長にしたり。マリア・テレジアの王者的決断プラス、運命の皮肉という記述には、スゴイ女帝であり、怖い母親だったんだ~と改めてハプスブルク家の運命にも驚いた。
現在国立西洋美術館で開催中の「ハプスブルク展」。10年前、国立新美術館にて開催されたハプスブルク展ではエリザベートの美しい肖像画にただただ、見とれていましたが今回はハプスブルク家の予備知識を勉強したのでちょっと違った楽しみ方ができそうです。
では、美術館でお会いしましょう。 !(^^)!
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多くの人のレビューを拝見して、読書の幅が広がっていくのが楽しみです。感動した本、おもしろかった本をレビューを通して伝えることができればと思っています。
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- 出版社:光文社
- ページ数:216
- ISBN:9784334034696
- 発売日:2008年08月12日
- 価格:1029円
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