DBさん
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インド旅行に必須の本
魔境インドに旅人ひとり。
妹尾河童という名前を聞いたことがあるような、と思いつつ読んだあとで著者略歴を見てみる。
グラフィックデザイナーを経て舞台美術の専門家となったということですが、なんと1930年生まれだった。
本が上梓されたのが2000年なので、きっと60代後半くらいの時の旅なんだろう。
どうりで出発前に家族にホテルは全部決めていって脱線しないようにとか、屋台のものを食べるなとか注意されて薬を山のように持たされたと書いてあったはずだ。
それでもホテルはともかく食べ物の方はいろんな所で現地の食を楽しんだようです。
インドは体力あるうちに行ってみないと、と思っていたがまだしばらくは大丈夫かも。
まず最初に出てくるのがインドのお札。
14種の文字で金額が書いてあるそうです。
それだけでもすごいが、インドには1652種の言語があるという。
方言みたいなものも含むのか、まったく意志疎通できないほど違う言語なのかはわからないがそれだけでも混沌の坩堝に落とされた気分になる。
カルチャーショックのままカルカッタからバラナシへ。
聖なる河ガンジスで沐浴する人を見学するツアーに参加し、火葬の現場に立ち会うだけでなく、著者はとうとうガンジスに肩まで浸かって沐浴までしてみている。
その夜に強烈な腹痛と下痢に悩まされるのはまあ当然だろうが、「下痢もインド体験のひとつ」と言ってしまえるポジティブさと好奇心あふれる文章が面白い。
ミトゥーナ像が有名な寺院のあるカジュラホ、タージ・マハールそびえるアグラを巡り、タージエクスプレスに乗ってデリーへ。
ガンディー記念博物館でカンディーのサンダルからその人なりを思い、現地の人が使っていた弁当箱を気に入って買いとり交渉。
人口問題や貧富の差、カースト制のことなども話題にしつつ無事に旅は終わる。
そして5年後、インドが気に入ったらしい著者が再訪した南インドの旅が語られます。
デリーで5年前と同じホテルに泊まり、時の流れで変化したものと変わらないものを探して歩く。
そしてボンベイやマドラスを通ってインドの最南端まで旅をしていきます。
自身を稀代の好奇心人間と称するだけあっていろんなものを見て食べて仕入れた情報がつまった本だった。
挿し絵が全て著者のスケッチなんだけど、観光地だけでなくホテルの部屋の間取りや特急の個室までサイズを測りながらスケッチしてあるのも面白い。
この本を片手にインドを旅して、二十年前と今の違いを探してみるのもいいかもしれない。
妹尾河童という名前を聞いたことがあるような、と思いつつ読んだあとで著者略歴を見てみる。
グラフィックデザイナーを経て舞台美術の専門家となったということですが、なんと1930年生まれだった。
本が上梓されたのが2000年なので、きっと60代後半くらいの時の旅なんだろう。
どうりで出発前に家族にホテルは全部決めていって脱線しないようにとか、屋台のものを食べるなとか注意されて薬を山のように持たされたと書いてあったはずだ。
それでもホテルはともかく食べ物の方はいろんな所で現地の食を楽しんだようです。
インドは体力あるうちに行ってみないと、と思っていたがまだしばらくは大丈夫かも。
まず最初に出てくるのがインドのお札。
14種の文字で金額が書いてあるそうです。
それだけでもすごいが、インドには1652種の言語があるという。
方言みたいなものも含むのか、まったく意志疎通できないほど違う言語なのかはわからないがそれだけでも混沌の坩堝に落とされた気分になる。
カルチャーショックのままカルカッタからバラナシへ。
聖なる河ガンジスで沐浴する人を見学するツアーに参加し、火葬の現場に立ち会うだけでなく、著者はとうとうガンジスに肩まで浸かって沐浴までしてみている。
その夜に強烈な腹痛と下痢に悩まされるのはまあ当然だろうが、「下痢もインド体験のひとつ」と言ってしまえるポジティブさと好奇心あふれる文章が面白い。
ミトゥーナ像が有名な寺院のあるカジュラホ、タージ・マハールそびえるアグラを巡り、タージエクスプレスに乗ってデリーへ。
ガンディー記念博物館でカンディーのサンダルからその人なりを思い、現地の人が使っていた弁当箱を気に入って買いとり交渉。
人口問題や貧富の差、カースト制のことなども話題にしつつ無事に旅は終わる。
そして5年後、インドが気に入ったらしい著者が再訪した南インドの旅が語られます。
デリーで5年前と同じホテルに泊まり、時の流れで変化したものと変わらないものを探して歩く。
そしてボンベイやマドラスを通ってインドの最南端まで旅をしていきます。
自身を稀代の好奇心人間と称するだけあっていろんなものを見て食べて仕入れた情報がつまった本だった。
挿し絵が全て著者のスケッチなんだけど、観光地だけでなくホテルの部屋の間取りや特急の個室までサイズを測りながらスケッチしてあるのも面白い。
この本を片手にインドを旅して、二十年前と今の違いを探してみるのもいいかもしれない。
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好きなジャンルは歴史、幻想、SF、科学です。あまり読まないのは恋愛物と流行り物。興味がないのはハウツー本と経済書。読んだ本を自分の好みというフィルターにかけて紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。
この書評へのコメント
- keena071511292020-05-16 21:32
>本が上梓されたのが2000年
実家にこの本がありますが
僕が小学生の頃からあるので
1980年代に出た本の文庫版だと思われます
(実家にあるのはハードカバーの大きい奴)クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 - かもめ通信2020-05-17 20:20
実は、二度行きました。(笑)
その後も、何度でも行きたいと、かなり入れ込んでいたのですが、
時間とお金と体力が続かず……(^^ゞ
旅の写真付きで、こんなレビューも書いているのでよかったら。
https://www.honzuki.jp/book/220663/review/221857/クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 コメントするには、ログインしてください。
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- 出版社:講談社
- ページ数:0
- ISBN:9784062730396
- 発売日:2000年12月01日
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