かもめ通信さん
レビュアー:
▼
嘘だと思うなら解説だけでも読んでみて!?
互いの家族とともに
ブルターニュの海辺に毎年恒例となっている避暑にやってきた、
青い花<ツルニチニチソウ>という意味の名前の少女ヴァンカと、
一つ年上のフィリップ少年。
15歳と16歳という幼なじみの恋。
思春期を迎え、
お互いを異性として意識し始めている二人だが、
おのおの自分の気持ちをもてあまし気味。
相手にどう接して良いのかわからずに、
顔を合わせれば憎まれ口をきいたり、
そうかと思うと無口になったり。
あー!じれったい!!
と、そこに、突如現れる年上女性。
ああこれもまたフランス文学にありがちな、
年上女性に性の手ほどきを受ける少年というパターンなのか!!
具体的な性描写がなくても、
絹の手ざわり、立ち上る香り、光の加減が、
少年の秘め事を鮮やかに描き出す。
全篇を通して、
景色や植物や物や色彩の繊細な描写が印象的な作品でもあった。
だが、4つ星をつけたこの本のお薦めどころは、
正直なところ物語そのものではなく、
巻末に収録された、およそ20ページにわたる鹿島茂さんによる解説だ。
1923年に発表されたこの作品が、
フランス文学史にとってなぜ画期的と評されるのか。
フランス文学に登場する年若い男性たちはなぜ、
高級娼婦や人妻と初体験をするのか。
なるほどねえ。そういうことだったのか!
目から鱗は落ちるし、思わず笑ってしまうしで、
本文をすっかり喰ってしまう面白さ。
この解説だけでも読む価値が十分ある。
そしてこの解説を読むと
本篇の魅力がじわじわと増してくるのだった。
ブルターニュの海辺に毎年恒例となっている避暑にやってきた、
青い花<ツルニチニチソウ>という意味の名前の少女ヴァンカと、
一つ年上のフィリップ少年。
15歳と16歳という幼なじみの恋。
思春期を迎え、
お互いを異性として意識し始めている二人だが、
おのおの自分の気持ちをもてあまし気味。
相手にどう接して良いのかわからずに、
顔を合わせれば憎まれ口をきいたり、
そうかと思うと無口になったり。
あー!じれったい!!
と、そこに、突如現れる年上女性。
ああこれもまたフランス文学にありがちな、
年上女性に性の手ほどきを受ける少年というパターンなのか!!
具体的な性描写がなくても、
絹の手ざわり、立ち上る香り、光の加減が、
少年の秘め事を鮮やかに描き出す。
全篇を通して、
景色や植物や物や色彩の繊細な描写が印象的な作品でもあった。
だが、4つ星をつけたこの本のお薦めどころは、
正直なところ物語そのものではなく、
巻末に収録された、およそ20ページにわたる鹿島茂さんによる解説だ。
1923年に発表されたこの作品が、
フランス文学史にとってなぜ画期的と評されるのか。
フランス文学に登場する年若い男性たちはなぜ、
高級娼婦や人妻と初体験をするのか。
なるほどねえ。そういうことだったのか!
目から鱗は落ちるし、思わず笑ってしまうしで、
本文をすっかり喰ってしまう面白さ。
この解説だけでも読む価値が十分ある。
そしてこの解説を読むと
本篇の魅力がじわじわと増してくるのだった。
お気に入り度:







掲載日:
外部ブログURLが設定されていません
投票する
投票するには、ログインしてください。
本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。
- この書評の得票合計:
- 46票
読んで楽しい: | 18票 | |
---|---|---|
参考になる: | 28票 |
あなたの感想は?
投票するには、ログインしてください。
書評一覧を取得中。。。
- 出版社:光文社
- ページ数:176
- ISBN:B00H6XBFMQ
- 発売日:2010年11月20日
- Amazonで買う
- カーリルで図書館の蔵書を調べる
- あなた
- この書籍の平均
- この書評
※ログインすると、あなたとこの書評の位置関係がわかります。