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「本」がますます好きになる。 「本」が好きな人、全てに読んで欲しい1冊。

  • レビュアー: さん
  • 本が好き!1級
さがしもの
表題作を含む、九つの「本」の物語が収録された短編集。

収録話は以下の通り。

「旅する本」
「だれか」
「手紙」
「彼と私の本棚」
「不幸の種」
「引き出しの奥」
「ミツザワ書店」
「さがしもの」
「初バレンタイン」

私が一番好きな話は、「旅する本」。
主人公が、18歳の時、東京でひとり暮らしをする際に、物を少なくするために古本屋に本を売る。
その時、古本屋の主人に、ある1冊の本を「本当に売っていいのか」確認される。
その本は、別に珍しくない翻訳小説。

なぜ、古本屋の主人がそんな確認をするのかわからず、主人公は結局その本を売ってしまう。
本を売ったことも忘れた頃、卒業旅行でネパールにひとり旅をした主人公。
その際、ポカラの古本屋へ足を運ぶ。
そして、そこで、かつて主人公が売った翻訳小説と再会することになる。

奥付に花とアルファベットが描かれたその本は、他の誰かではなく、主人公が売った本だったのだ。
時と国境を越えて再会する本と主人公。
ロマンチックな物語。

一冊の「本」が人生を動かし始める。
本書は、そんな物語が詰まった1冊。
読むと元気を貰えて、ますます「本」が好きになる。

物語だけでなく、著者の角田さんのあとがきエッセイも素敵で心動かされる。
世の中には私の五百倍、千倍の本を読んでいる人がいて、そういう人に追いつこうとしても無駄である、そんな追いかけっこをするくらいなら、知識なんかなくたっていい、私を呼ぶ本を一冊ずつ読んでいったほうがいい。
そう、本は人を呼ぶのだ。(P.227あとがき)


本は、開くだけで、どんな世界へも連れて行ってくれる。
これからも、自分を呼ぶ本を手に取り、色々な世界へ連れて行ってもらいたい。

「本」がますます好きになる。
「本」が好きな人、全てに読んでほしい1冊です。
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  • 掲載日:2020/07/31
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