DBさん
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フランスを牛耳った女の話
図書館でふと目に止まり、あの佐藤賢一がポンパドールを書いていたのかと読んでみました。
ジャンヌ・アントワネット・ポワソンと本名を言われてもフランス人?くらいにしか思えないが、ポンパドール夫人といえば今でもヘアスタイルやテーブルウェアに名前が冠せられるくらい有名だ。
フランス国王ルイ十五世の愛人であり、二十年近く宮廷を牛耳った女の一代記です。
少女時代は当時の習慣通り寄宿制の修道院で教育を受ける。
母親はルイーズ・マドレーヌは若い頃から奔放な美人として名を馳せていたようで、夫のポワソン氏が横領事件で亡命しても生活を支える愛人に困ることはなかった。
母親の愛人トゥールネム氏は才気に溢れたジャンヌ・アントワネットに一流の教育を施した。
そのお陰でデビューしてからはサロンの華として歓迎され、トゥールネム氏の甥と結婚してエティオール夫人となる。
自らのサロンには文人たちが押しかけ盛況だったが、特に愛人を作って恋愛ゲームを繰り広げるようなことはなかったそうです。
その代わりに彼女がしたのは派手な無蓋馬車に乗って王の狩猟場を散歩することだった。
運良くルイの目に止まりヴェルサイユに招かれるが、平民出身の寵姫への差別と非難は激しかった。
そして彼女が寵姫になれたのも、自分の運や才覚ではなく政治的な駆け引きの結果であったことを知る。
だが彼女の強さは自分の価値を冷静に分析し、自分の魅力を引き立たせることに長けていたということだろうか。
美女などよりどりみどりの国王の心を掴み続け、宮廷に新しい流行を送り出すファッションリーダーとなり、サロンの延長として文化人の保護に勤めた。
当時は輸入品だった磁器をフランスでも作り出すためにセーブル窯を作り、城や屋敷を完璧なまでの美意識で作り上げる。
そしてペチコート同盟に代表されるように外交でも宰相さながらの手腕を振るった。
王太子とイエズス会とのトラブルや、政敵を追い落とすシーンもあるが基本的には国王への愛と献身を貫いているように書かれていた。
ルイに若くて身分の低い愛人をあてがったという「鹿の苑」の件も、女性たちに同情して管理をするようになったとプラスの部分を強調していましたが。
せっかくの佐藤賢一作品だし、もう少し野心的で腹黒い部分もあわせ持つ女性を描いてみてほしかった。
ジャンヌ・アントワネット・ポワソンと本名を言われてもフランス人?くらいにしか思えないが、ポンパドール夫人といえば今でもヘアスタイルやテーブルウェアに名前が冠せられるくらい有名だ。
フランス国王ルイ十五世の愛人であり、二十年近く宮廷を牛耳った女の一代記です。
少女時代は当時の習慣通り寄宿制の修道院で教育を受ける。
母親はルイーズ・マドレーヌは若い頃から奔放な美人として名を馳せていたようで、夫のポワソン氏が横領事件で亡命しても生活を支える愛人に困ることはなかった。
母親の愛人トゥールネム氏は才気に溢れたジャンヌ・アントワネットに一流の教育を施した。
そのお陰でデビューしてからはサロンの華として歓迎され、トゥールネム氏の甥と結婚してエティオール夫人となる。
自らのサロンには文人たちが押しかけ盛況だったが、特に愛人を作って恋愛ゲームを繰り広げるようなことはなかったそうです。
その代わりに彼女がしたのは派手な無蓋馬車に乗って王の狩猟場を散歩することだった。
運良くルイの目に止まりヴェルサイユに招かれるが、平民出身の寵姫への差別と非難は激しかった。
そして彼女が寵姫になれたのも、自分の運や才覚ではなく政治的な駆け引きの結果であったことを知る。
だが彼女の強さは自分の価値を冷静に分析し、自分の魅力を引き立たせることに長けていたということだろうか。
美女などよりどりみどりの国王の心を掴み続け、宮廷に新しい流行を送り出すファッションリーダーとなり、サロンの延長として文化人の保護に勤めた。
当時は輸入品だった磁器をフランスでも作り出すためにセーブル窯を作り、城や屋敷を完璧なまでの美意識で作り上げる。
そしてペチコート同盟に代表されるように外交でも宰相さながらの手腕を振るった。
王太子とイエズス会とのトラブルや、政敵を追い落とすシーンもあるが基本的には国王への愛と献身を貫いているように書かれていた。
ルイに若くて身分の低い愛人をあてがったという「鹿の苑」の件も、女性たちに同情して管理をするようになったとプラスの部分を強調していましたが。
せっかくの佐藤賢一作品だし、もう少し野心的で腹黒い部分もあわせ持つ女性を描いてみてほしかった。
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好きなジャンルは歴史、幻想、SF、科学です。あまり読まないのは恋愛物と流行り物。興味がないのはハウツー本と経済書。読んだ本を自分の好みというフィルターにかけて紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。
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- 出版社:世界文化社
- ページ数:400
- ISBN:9784418135103
- 発売日:2013年09月11日
- 価格:2160円
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