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DBさん
DB
レビュアー:
命の大切さを語った本
セーガン博士から地球に住む人類全てに向けたメッセージのような本でした。
タイトルになったビリオンズ&ビリオンズの逸話から、数についての豆知識のような話が続きます。
天文学者にとって十の何乗の世界は身に付いたものだろうね。
微生物単位まで数えると、地球に住む生命の数と空の星の数とではどちらが大きいのだろう。
ゼロが並んで脳が思考停止しました。

天文学関係の話の続きで、周波数と音の関係や光の波長について詳しくもとてもわかりやすい説明をしてある。
歴史や神話も出てきて話題が豊富で話に引き込んでいくのがうまい人だと思った。

宇宙の謎や惑星の話が出てきて、そして現代の環境問題へと移っていきます。
博士がこの本を書いた90年代後半の環境問題はオゾンホールと温暖化だった。
フロンが禁止になるまでの政治的な回り道や、産業革命以降の人類の発展には大きな代償も伴っていると指摘する。
しかもそのしわ寄せは貧困層や弱者に向かうのだ。

まだ人間ならともかく、人間の経済活動のせいで地球の生命がどれほど失われたのだろう。
それこそビリオンズ&ビリオンズの世界になってしまうのではないだろうか。
オゾンホールは話題にならなくなってきたけれどまだ空いているのは確実だろうし、CO2の温暖化は未だに解決の糸口が見えていない。
ダイオキシン問題なんていうのもあったし、今のところ人類は環境問題と手を切れなさそうです。

エネルギー問題にしても同様ですね。
石油をはじめとする資源はいつかは枯渇するし、核エネルギーが制御しきれていないことは震災の時に思い知っているはずだ。
人類は滅亡の道を自らすすんでいくのか、それともどこかで舵を切り替えて未来を切り拓いていけるのだろうか。
セーガン博士の現在と未来への警鐘だけど、すべての生命へのラブレターののようにも感じられた。
個人の力はどんなに小さくても、努力と問題が存在することを忘れないでいきたいと思う。

余談ながら「水戸黄門の印籠のように」という一文が気になった。
セーガン博士が黄門さまを知ってるはずないし、だとすれば訳者の解釈なんだろうけれど、思い当たるとすれば「デウス・エクス・マキナ」だったのかな。
しかし神の介入と黄門さまを同じレベルにするのには無理がある気がする。
まあ原文あたる根性はないので謎のままになりそうですが。
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DB
DB さん本が好き!1級(書評数:2034 件)

好きなジャンルは歴史、幻想、SF、科学です。あまり読まないのは恋愛物と流行り物。興味がないのはハウツー本と経済書。読んだ本を自分の好みというフィルターにかけて紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。

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