かもめ通信さん
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ひっそりと、ひとり、ホームズ祭開催中!? 祝 #岩波少年文庫 #創刊70周年
先日読んだ
〈ホームズ〉から〈シャーロック〉へ――偶像を作り出した人々の物語が、とても面白かったので、「これはちょっとシャーロック・ホームズその人に会いに行ってみないことには。」という気になって、手にした本。
丁度、 祝 #岩波少年文庫 #創刊70周年 読書会をやっているところだし…と、せっかくなので岩波少年文庫版で読んでみることに。
「ホームズ」が「ホウムズ」という表記なのはまあ良いとして、 完訳版であるかどうかということは気になっていたのだれど、その点については巻末の「改版にあたって」という訳者あとがきにしっかり明記されていた。
なんでも、ドイルと同じお医者さんでもある訳者が、当時小学生だったご自身のお子さんのために本を選んだときに、子ども向けの外国文学の翻訳には改作・歪曲・省略などずいぶんひどいものがあることに気づいて、言葉さえ選べば原文に忠実にそのまま子どもに読ませるものが出来るのではと試してみたのがホウムズの短編だったそうだ。
それなら安心と読みはじめると、巻頭で「はじめてホウムズの物語を読む人々のために」と本書には収録されていない「深紅の糸の研究」という作品から引用された一節がしっかりと、ホウムズの職業とワトスンの紹介になっているのが心憎い。
「赤毛連盟」や「口のまがった男」では、そうそうそういう話だった!と、途中で遠い記憶を呼び起こされたが、「青い紅玉」ではいやいやその邦題はないでしょう!とタイトルから躓いたのだが、これまた巻末の訳者あとがき(「改版にあたって」)を読んで、二度びっくり。いいのか、そのタイトルでいいのか!うーむ。
表題作「まだらのひも」の結末は、謎解き場面にはいってはじめて、「あっ!そうだった!」と思い出したのだけれど、40年ぶりか!という再読にもかかわらず、結構おぼえているものだなあ~と妙な感慨も。
あれ?でも、もしかしてもしかすると、あの作家のあの作品や別の作家のあの作品も、この物語が元ネタだったりするのかしら?と、なんだか妙にお尻のあたりがむずがゆい。
<収録内容>
シャーロック・ホウムズのことば(「深紅の糸の研究」から)
赤毛連盟
口のまがった男
青い紅玉
まだらのひも
技師の親指
名馬シルヴァー・ブレイズ
〈ホームズ〉から〈シャーロック〉へ――偶像を作り出した人々の物語が、とても面白かったので、「これはちょっとシャーロック・ホームズその人に会いに行ってみないことには。」という気になって、手にした本。
丁度、 祝 #岩波少年文庫 #創刊70周年 読書会をやっているところだし…と、せっかくなので岩波少年文庫版で読んでみることに。
「ホームズ」が「ホウムズ」という表記なのはまあ良いとして、 完訳版であるかどうかということは気になっていたのだれど、その点については巻末の「改版にあたって」という訳者あとがきにしっかり明記されていた。
なんでも、ドイルと同じお医者さんでもある訳者が、当時小学生だったご自身のお子さんのために本を選んだときに、子ども向けの外国文学の翻訳には改作・歪曲・省略などずいぶんひどいものがあることに気づいて、言葉さえ選べば原文に忠実にそのまま子どもに読ませるものが出来るのではと試してみたのがホウムズの短編だったそうだ。
それなら安心と読みはじめると、巻頭で「はじめてホウムズの物語を読む人々のために」と本書には収録されていない「深紅の糸の研究」という作品から引用された一節がしっかりと、ホウムズの職業とワトスンの紹介になっているのが心憎い。
「赤毛連盟」や「口のまがった男」では、そうそうそういう話だった!と、途中で遠い記憶を呼び起こされたが、「青い紅玉」ではいやいやその邦題はないでしょう!とタイトルから躓いたのだが、これまた巻末の訳者あとがき(「改版にあたって」)を読んで、二度びっくり。いいのか、そのタイトルでいいのか!うーむ。
表題作「まだらのひも」の結末は、謎解き場面にはいってはじめて、「あっ!そうだった!」と思い出したのだけれど、40年ぶりか!という再読にもかかわらず、結構おぼえているものだなあ~と妙な感慨も。
あれ?でも、もしかしてもしかすると、あの作家のあの作品や別の作家のあの作品も、この物語が元ネタだったりするのかしら?と、なんだか妙にお尻のあたりがむずがゆい。
<収録内容>
シャーロック・ホウムズのことば(「深紅の糸の研究」から)
赤毛連盟
口のまがった男
青い紅玉
まだらのひも
技師の親指
名馬シルヴァー・ブレイズ
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本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。
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この書評へのコメント
- ef2020-04-06 05:57
う~む……少年少女文庫で読むのも一興ですが、できれば完訳で読んで欲しぃ。
おススメは、河出書房新社から出ているシャーロック・ホームズ全集です。
これは当時の挿絵が完全収録されている上(『<ホームズ>から<シャーロック>へ』でも沢山紹介されていたパジェットの挿絵を全部見ることができますよ)、巻末解説が相当に詳しいのです。
加えて、訳出しているのが日本を代表するシャーロキアンの面々なので考証もばっちりです。
マニアックな興味がある方には本シリーズをストロング・リコメンドしております。
この全集の紹介についてはこちらをご参照ください。
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