じゃこうねずみが、地球のムーミン谷に危険がせまっている。と恐怖をあおることを盛んに言うが、その正体が何なのかはわからない。
それで、本当に地球は滅びるのか確かめに、ムーミンパパとママがムーミントロールとスニフを天文台へと旅立たせる。その天文台での予測、4日後8時42に大彗星がムーミン谷にぶつかる。予測誤差は+4秒。
この物語、彗星の接近で、高熱のため海が干上がったり、強風が逆巻き、想像を絶する場面が連続するのだが、それにより魚や深海だこ、多くの昆虫など虫たちが死ぬ場面は全くない。みんな、個性的で協力し合っているわけではないのに、頑張って生き抜く。
唯一、死が登場する場面はアンゴスツーラ(ちょっとどんな動物かわからないが)が、スノークのおじょうさんを襲って、それをムーミントロールがナイフで戦って殺すところだけ。
そして一番驚いたのは、彗星がムーミン谷に最接近し、皆が洞穴に隠れて、災難は逃れる。
しかし、彗星は衝突はせず、しっぽがムーミン谷をかすめて宇宙に帰ってゆく。
ムーミントロールがつぶやく。
「彗星を知ったのは、僕が最初なんだ。しかも、彗星がどんどん大きくなるのを見てきたんだ。彗星って、ほんとにひとりぼっちで、さびしいだろうなあ・・・。」スナフキンがつないで言う。「みんなにこわがられるようになると、あんなに、ひとりぼっちになってしまうのさ。」
そうか、それで彗星は衝突を懸命に避けたのか。
作者ベンソンの暖かさ、優しさが溢れている。
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