morimoriさん
レビュアー:
▼
月収4万円の年金暮らし66歳の女性から、株や投資信託で月収300万円ある女性とそれぞれの月収に見合う生活を送る女性たちの人間ドラマ。
夫の浮気が原因で離婚した66歳の響子は、家は夫のものとなり、数百万円の貯金のみ受けとった。不動産屋で賃貸物件を探していた響子は年齢と収入が壁となることを知り、不動産屋の薦めで築45年以上駅から徒歩15分以上かかる物件を購入した。減ってしまった貯金のため、シルバー人材センターで仕事探しを始める。第一話「月収4万円の女 乙部響子(66)の場合」
小説家の大島成美は、純文学系の文学新人賞を受賞し1冊目の本が売れた。出版社や編集部の期待に応え書きためてきた原稿が文芸誌に掲載されたが、単行本としても文庫本としても出版されず思うような新作を書くことができなかった。ある日、女性起業家を集めたパーティーで知り合ったばかりの実業家鈴木菊子から「それはあなたがこの先どういう小説家になりたいかで決まってくると思う」と言われた。小説家としては、食べていけない。今の派遣の仕事だけでは収入も少ない。悩める成美は、新たなる野望を抱く。「第二章 月収8万円の女 大島成美(38)の場合
離婚した母とそりが合わない明海、主任として部下を束ねる立場にいるのに今だに母からは「結婚しろ」「女なのに工場なんかで働いて」などと言われている。今はまだ元気な母親もやがては介護が必要になるだろうことを考えると悩みは尽きない。悩んでいる明海の耳に届いた言葉が新NISAだった。
「第三話 月収10万を作る女 滝沢明海(29)の場合
「小説家の人がパパ活をしている女性の話を聞きたいと言ってきている」というデートクラブのマネージャーからの連絡で依頼に応じた瑠璃華は、鈴木菊子と何回か食事をしながらパパ活についての話しをしていくうちに心を開いていくようになった。ある時、菊子にピアスを買ってもらったがその後連絡が取れなくなった。第四話 月収百万の女 瑠璃華(26)の場合」
「第五話 月収300万の女 鈴木菊子(52)の場合」デートクラブの瑠璃華から話を聞いていた鈴木菊子はいったい何者か。
「最終話 月収17万の女 斎藤静枝(22)の場合」介護士として働いている静枝は、生前整理のお試しプランを利用してもらうため乙部響子の家を訪れた。
第一話に登場した乙部響子が最終話に登場したり、実業家の鈴木菊子がなぜ瑠璃華から話を聞いたのかが明かになったり、瑠璃華が最終話に登場したりと月収も仕事もそれぞれだった女たちが関わり合っていく。月収は多い方が良いが、どんな仕事で収入を得るか、どう生きてお金をどう使うかはその人次第。有効に使い、自分の人生をより幸せに生きようとする女たちの生き様から懸命さが伝わる。人によって仕事のできる年齢も異なるだろうが、健康でできるだけ長く仕事を続けていくことが生きがいにもつながるように思った。
小説家の大島成美は、純文学系の文学新人賞を受賞し1冊目の本が売れた。出版社や編集部の期待に応え書きためてきた原稿が文芸誌に掲載されたが、単行本としても文庫本としても出版されず思うような新作を書くことができなかった。ある日、女性起業家を集めたパーティーで知り合ったばかりの実業家鈴木菊子から「それはあなたがこの先どういう小説家になりたいかで決まってくると思う」と言われた。小説家としては、食べていけない。今の派遣の仕事だけでは収入も少ない。悩める成美は、新たなる野望を抱く。「第二章 月収8万円の女 大島成美(38)の場合
離婚した母とそりが合わない明海、主任として部下を束ねる立場にいるのに今だに母からは「結婚しろ」「女なのに工場なんかで働いて」などと言われている。今はまだ元気な母親もやがては介護が必要になるだろうことを考えると悩みは尽きない。悩んでいる明海の耳に届いた言葉が新NISAだった。
「第三話 月収10万を作る女 滝沢明海(29)の場合
「小説家の人がパパ活をしている女性の話を聞きたいと言ってきている」というデートクラブのマネージャーからの連絡で依頼に応じた瑠璃華は、鈴木菊子と何回か食事をしながらパパ活についての話しをしていくうちに心を開いていくようになった。ある時、菊子にピアスを買ってもらったがその後連絡が取れなくなった。第四話 月収百万の女 瑠璃華(26)の場合」
「第五話 月収300万の女 鈴木菊子(52)の場合」デートクラブの瑠璃華から話を聞いていた鈴木菊子はいったい何者か。
「最終話 月収17万の女 斎藤静枝(22)の場合」介護士として働いている静枝は、生前整理のお試しプランを利用してもらうため乙部響子の家を訪れた。
第一話に登場した乙部響子が最終話に登場したり、実業家の鈴木菊子がなぜ瑠璃華から話を聞いたのかが明かになったり、瑠璃華が最終話に登場したりと月収も仕事もそれぞれだった女たちが関わり合っていく。月収は多い方が良いが、どんな仕事で収入を得るか、どう生きてお金をどう使うかはその人次第。有効に使い、自分の人生をより幸せに生きようとする女たちの生き様から懸命さが伝わる。人によって仕事のできる年齢も異なるだろうが、健康でできるだけ長く仕事を続けていくことが生きがいにもつながるように思った。
お気に入り度:









掲載日:
外部ブログURLが設定されていません
投票する
投票するには、ログインしてください。
多くの人のレビューを拝見して、読書の幅が広がっていくのが楽しみです。感動した本、おもしろかった本をレビューを通して伝えることができればと思っています。
この書評へのコメント

コメントするには、ログインしてください。
書評一覧を取得中。。。
- 出版社:中央公論新社
- ページ数:0
- ISBN:9784120058851
- 発売日:2025年02月21日
- 価格:1780円
- Amazonで買う
- カーリルで図書館の蔵書を調べる
- あなた
- この書籍の平均
- この書評
※ログインすると、あなたとこの書評の位置関係がわかります。
『月収 (単行本)』のカテゴリ
登録されているカテゴリはありません。






















