ハヤ号セイ川をいく

二人の少年は、カヌーのハヤ号を操り、美しい夏のセイ川を上りくだりする。四百年前に隠された宝を発見するために。
タイトルにある「四月」にひかれて手にしたのは、初版が2015年4月と、少しばかり古い本だった。
詩が書けなくなった大詩人 VS 訳あり女性編集者 詩と再生の物語というキャッチコピーの後に、
世界は言葉の拘束衣を着ている、詩はその綻びか。という、谷川俊太郎氏の言葉が続く。
活字ではなく浮世に生きる詩と詩人を描いて新鮮。
南ニ死ニサウナ人アレバいうところで必ず泣きそうになり、そのことで少し傷つく「わたし」。
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
サウイフモノニという最後の一節を読むたびに(わたしはもうどういうものにもられないんだろうな)と思ってしまう「わたし」。
ワタシハナリタイ
謝罪は権力を生むというフレーズについて、考え込まずにはいられない「私」とともに、謝るということについて考えてみたいと思うあなたにも。
だからあやまってほしくないんだ

二人の少年は、カヌーのハヤ号を操り、美しい夏のセイ川を上りくだりする。四百年前に隠された宝を発見するために。

なかなかの内容だった。天藤真「大誘拐」みたいなのかなと思いながら読んでいたが、とんでもない!

本書は「哲学なんか知らない」、「哲学なんか興味ない」という人にこそ読んでほしい。そういう人こそ、実は哲学に「呼ばれ」ている人かもしれないから。

2012〜2013年に書かれた絲山秋子による七つの短編集。

彬子女王殿下のイギリス留学記をマンガ化。『プリンセスメゾン』の池辺葵さんが作画を担当。
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