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ホームズ+ラヴクラフト・シリーズ最新作は連作集?

  • レビュアー: さん
  • 本が好き!1級
シャーロック・ホームズとハイゲイトの恐怖 上
 これまでホームズとラヴクラフトを合体させた異色シリーズを書いてきたジェイムズ・ラヴグローヴですが、その最新作であります。
 読み始めたところ……こ、これは?

 上巻には四つの作品が収録されているのですが、それぞれ作中の時間がかなり飛ぶのです。
 1888年秋、1888年冬、1895年、1898年と、最初の二編こそは同じ年の出来事なのですが、その後はご覧の通り大分時間を置いての話になります。

 いずれもラヴクラフト的に、地球外からやって来た謎の存在と、その者たちが扱う菌類の話がベースになっており、緩やかにつながっているとは言え、各話は独立しても読めてしまうのです。
 これはどうするつもりなのかなぁ……。
 最後にこうして積み上げてきた話をまとめにかかるのだろうとは予測しているのですが、今のところ連作集という色合いの方を強く感じてしまいます。

 内容的には、アイリーン・アドラーを登場させてきたりするのですが、この扱いはホームズファンはちょっと承服できないんじゃないかなぁ。
 私も、アイリーン・アドラーをこんな風に扱うんじゃない! 的に思ってしまいましたよ。

 また、ホームズらしさが弱いとも感じました。
 持ち物からその主の素性を当てる、原作に書かれていたことを引っ張ってきてくすぐる等の『ホームズあるある』は随所に出してくるのですがそれだけに終わってしまっているように感じました。
 肝心の推理がどうもうまくなく、ホームズらしいキレの良さが感じられないのです。

 また、まあホームズって原作でもそんなに人格者じゃないにせよ、これはちょっと嫌らしくないか? と感じる振る舞いも少々気になるところ。
 各話も中~短編くらいのサイズということもあってか、どうも話が小粒で、原作短編の小気味よさのようなものは今ひとつ感じられないのです。
 どうもジェイムズ・ラヴグローヴは長編向きの作家かなぁと感じているところです。

 下巻に入ってもこの調子で連作調で続けていくのか、それともこうやって下地を作っておいて大本の謎に挑むのか?
 私としては後者を期待しているのですが……。


読了時間メーター
□□□     普通(1~2日あれば読める)/431ページ:2026/03/29
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  • 掲載日:2026/05/07
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