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戦後生まれの筆者は1992年からアメリカ・ニューヨークで暮らし、そこで戦争と平和について考えたり、書いたりするようになり、戦争はつねに身近にあり、私たちの生活に大きな影響を与えるものだと述べています。

わたしが戦場にいる
筆者は、1956年岡山に生まれ、同志社大学を卒業後、1992年からアメリカのニューヨーク州に居住し、戦争と平和をテーマにした数多くの著書を出していて『ある晴れた夏の空』で、第68回小学館児童出版文化賞を受賞しているそうです。

筆者の両親は、生まれたときから15歳まで、戦争とともに生き、悲惨な戦争を、まるごと経験したというより、かろうじて生き抜いてきた子どもたちだったけれど、いま九十代後半に差しかかろうとしています。両親のように、アジア・太平洋戦争で実際に戦った経験のある日本人は、本当に数少なくなってきていると書いています。

そして、日本がかつてのような軍国主義の国にならないという保証は、どこにもなく、ただ祈っているだけでは、平和は実現できず、戦争を生きてきた人たちの声に耳を傾けてみよう。戦争を読んでみようと、十代の読者に向けて書いたエッセイが、この本の成り立ちのようです。この本の内容は次のとおりです。

第一の扉 ある日、赤い手紙が届く(吉行淳之介、小松左京、柴田錬三郎、壷井栄などの作品から)
第二の扉 作家たちと戦場へ(中国大陸へ/ヴェトナムへ/ヨーロッパへ)
第三の扉 わたしが戦場にいる(われらアジアの子/欲しがりません勝つまでは/はたちが敗戦/雲の墓標/海と毒薬/動物園襲撃(あるいは要領の悪い虐殺)/八月の光と、屍の街と新古事記/川滝少年のスケッチブックと、遠い夏と、準備する)

数多くの原典から引用して構成されているので、この本を手にして、その奥に潜んでいる、戦争の傷痕を読み取ることは、十代の読者には、とても過酷なことですが、数少なくても、この小さな石を投げ込んだ波紋が広がっていくことを、筆者の両親より少し年下の者として願っています。
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  • 掲載日:2026/05/22
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