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甘くて優しくて切ない物語。コイズミ洋菓子店へいらっしゃいませ。

  • レビュアー: さん
  • 本が好き!1級
  • 私が愛した余命探偵 (小学館文庫)【Kindle】
  • by
  • 出版社:小学館
私が愛した余命探偵 (小学館文庫)【Kindle】
西荻窪にあるコイズミ洋菓子店で販売員として働く二葉(ふたば)。
彼女の夫一星(いっせい)は再発し続け売る肉腫をかかえ長期入院している。

物語の舞台は洋菓子店と病院。
ちょっと不愛想なところがあるけど働き者で優しい二葉。
ほがらかでケーキが大好きな一星。
ふたりの仲睦まじい会話がいい。

でも一星、病気の再発、再手術で何カ月も禁食状態。
これは…へこみますよね。
暇をもてあましていた一星は妻に提案するんです。
洋菓子店で起こるなにか興味深い出来事を話してくれって。

色んなお客さんが来てます、コイズミ洋菓子店。
毎日のように店に来て「におい」から目当てのお菓子をさがそうとする小学生の女の子。
2日に一度ロールケーキだけを買いに来るおばあさん。
謎でしょ?!

この謎を二人して解き明かしていくところが面白い。
どの謎も色々と事情があって、愛と悲しみと思い出がつまってます。

そして病気で心身共に弱っている夫一星を支え見守る妻二葉の愛も切なく、なんとも悲しい。

脇役ですが、洋菓子店のシェフ小泉さんのキャラクターが良いですよ。
厨房にこもりっきりで人前に出たくない40代独身男。
パティシエとしての情熱と腕は素晴らしいのに、なんとも不器用な人で優しくて。

ケーキの描写も楽しい。
特に先代から続いている定番「コイズミ純白ロール」は美味しそう。

甘くて優しく、そして悲しく切ない物語。
美味しい洋菓子は人を幸せな気持ちにさせてくれますね。

シンプルで美味しいロールケーキが食べたくなってきます。
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  • 掲載日:2024/12/15
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