いやー、分からなかったですね。マジックリアリズムというジャンルの代表作品です。幻想小説との違いも分かりません。言語明瞭、意味不明の典型的な小説です。
原本は1967年発表で、当時はラテンアメリカ文学が日本でも広まり始めた頃です。ホルヘ・ルイス・ボルヘスや、バルガス・リョサといった、名前の知られた作家たちが同時代で活躍しています。
ラテンアメリカ文学の一大ブームが、1900年代後半にあったんですって。仕掛けたのは、スペインとアルゼンチンの出版社です。そのおかげか分かりませんが、ガルシア・マルケスは1982年にノーベル文学賞を受けました。日本で脈々と読まれている一番大きな理由でしょう。当時の日本は、たぶんカドカワブームの頃で、小説・映画・音楽のメディアミックスで湧いていたことを思い出しました。
解説の筒井康隆氏の文章は、賛同できるところとできないところが混在していますが、事実が分かったことは重要です。ガルシア・マルケスは、キューバの独裁者で有名なカストロと親交があったそうなのです。政治的な意味合いが大きい事実です。ブームを作った出版社も、キューバもスペイン語圏ですね。ノーベル文学賞は、しばしば政治的な動きをするとわたしは思っています。キューバ革命が1959年ということを考えると、つい関係があるのではないかとうがった見かたをしてしまいます。
巻末の訳者あとがきが、なんの役にも立っていません。改訳新版のあとがきも含めてです。本著の奇天烈さが群を抜いていて、翻訳するので精一杯だったのかもしれません。解説の筒井氏は、シュールレアリスムの混入を論じ、超現実と現実の入り混じった文体を、マジックリアリズムと評しています。なんとなく同意します。筒井氏のお薦めの、族長の秋という作品には、悪ガキがそのまま大きくなったような大統領の話のようで、その例を持ち出してくれて本著の立ち位置がなんとなく理解できました。
百年の孤独とは、マコンド村という隔絶された村を舞台にした、ブエンディア一族の奇妙な百年の年代記と理解しました。同じ名前が複数の人につけられ、近親相姦も頻発し、娼婦も暗躍してという物語です。小さい子どもの肛門期ってご存知ですか? つまり、チンコとおっぱいとウンチと言って喜んでいるような精神世界の中で書かれた作品ではないかとわたしは思っています。
もちろん、そんな下品な文章は巧妙に隠されていて、ノーベル文学賞作家の作品にふさわしい文体ではありますが。そういえば世界の谷崎も、美文で汚いことを包み隠すタイプだったよななんて、理解できないので思考がどんどん飛んでいってしまいます。
星はつけません。無理。
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