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何故この本を読む気になったんだろう?しかし抜群に面白い。

  • レビュアー: さん
  • 本が好き!1級
父の革命日誌
著者は韓国において社会主義者の両親を持ち、その為に1980年代後半に労働運動に参加、国家保安法違反として4年間指名手配された後に自ら警察に出頭した。手配中に自身の両親をモデルにした長篇小説「パルチザンの娘」(1990年)を執筆し、高い評価を受けて作家となるが、当局から発禁処分を受けた。

その彼女が描く父の死をテーマに、其処に集う多くの弔問者を会うにつけ、バリバリの社会主義者で、唯物論者で農作業より焼酎を飲み、他人のお節介ばかりしているという傍から見ると「駄目オヤジ」的な父親像なのだが、少しずつその姿が変わって行くのが面白い。

第二次大戦が終わり、南北に分かれた朝鮮半島で北の共産主義と南の自由主義の対立。そして南部の社会主義者がパルチザンとして政府に反抗する面々が存在し、李承晩政権に反抗する形で山に籠り……ウームこんな事が有ったんですね。

不勉強を恥じるしかないのですが、初代~3代の大統領だった李承晩がこれほどの弾圧を行っていた事や、それに反抗する共産主義者が此処まで凄かった、(この歴史が今の韓国を作っている訳です)事を知ることが出来てそれだけでも勉強になる。

極左ともいえるパルチザンと極右ともいえる軍関係者。両方のOBが葬儀の席で仲良く酒を酌み交わす……田舎ならでは光景が繰り広げられる中、少しずつ「駄目オヤジ」的な父親の姿が、変化してゆく。

その変化してゆく姿がゆったりとした時、間の流れの中に描かれていくのが……実にじつに美しい。

そうかぁ……かの国の民主主義はこうした土台が有るのだな。だから前大統領がクーデター紛いの動きをすれば、自らの身体をはっても防ぐのだな。

                勉強になった。

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  • 掲載日:2026/04/17
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