年寄りがブレーキとアクセルを間違えて人の集団に突っ込むという事件が報道されることがある。
また、年寄りか・・・、年寄りは免許いらなくねぇか。ボケてる年寄りに車を運転させるのは人間兵器だぜとかSNSを見ると見かけることがある。
確かに、年寄りの運転は危険だ。早く自動運転ができるような世界になって欲しいと思う人も多いかもしれない。そういう心理を利用したミステリーが本書です。
田舎のコンビニに車が突っ込んだ。店長が即死。犯人は年寄り。半ボケらしい。隣人の車検のキレた車を勝手に使用していたらしい。村ではボケてると有名だったとか。
この事件、何か不可解だ。というのも事故をした年寄りの男性に取材すると意識がきちんとある。罪の意識もある。村人の証言とかなり乖離しているし、死んだ店長というのが前科者、最低男だ。
その村に住んでいた女の子がバイトをしていた。その現場にいた。その子は店長に尻を触られるなどのスケベ行為をされていた。
雑誌記者がこの事件の背景にある真実を浮き彫りにするというミステリーです。作者の染井さんは筆力があり、キャラ造形もきちんとしてて読ませる作家なので楽しい。複雑な謎やトリックなどはないのだが、これはこれで楽しめる。最後まで一気読みでした。
さて、この記者真実にたどりつくが、それを公表しないという結末になります。
知らなくていい真実というのか、真実を明白にしない方が社会的に良いと判断したのですが、果たしてそうかと思う。
報道記者としての職業倫理として、そういうことがあっていいわけがない。犯人にも村人にも同情するのだが、だからといって報道の人間が臭いものに蓋をするという結末は違和感を感じた。どんなに不都合な真実でも、それが真実だというのなら公表するのが報道の矜持ではないのか。都合のいいことだけ公表するのは悪徳政治家と何も変わらないと感じました。
2026 5 1
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