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DBさん
DB
レビュアー:
化学の基本を教える本
ノーベル化学賞効果で在庫切れのようですが、我が家の本棚に鎮座しているのを思い出して再読しました。

18Cから19Cにかけて活躍したイギリスの科学者ファラデーは、その名を冠した定数や法則で馴染み深い。
電磁場の研究も有名だけど、ベンゼンを発見したりブンゼンバーナーを発明したりと化学室で見まわせばファラデーの功績がいろんなところに見つけられるだろう。
電池を作ったのも電気分解をしたのもファラデーだったというから、化学と電気の教科書の半分はファラデーの功績の上に成り立っていると言っても過言ではない。
肖像画を見ると甘いマスクの知的な雰囲気のお方です。
本著ではそのファラデーが少年少女むけにクリスマスに実験を見せながら講義した内容を活字化しています。
なので誰にでもわかる言葉で化学の謎を解き明かしてくれている。

ロウソクにもいろんな種類があるそうで、獣脂ロウソクや獣脂を精製したステアリンロウソク、鯨油ロウソク、蜜蝋、パラフィン、それに日本から舶来の和蝋燭を子供たちに紹介しています。
そこからロウソクの作り方や、ロウソクが燃える時に何が必要なのかといった話へと移っていく。

何よりも科学者にとって大切な観察することと考察することを上手に教えていた。
やはり天才は何をさせても上手いと実感させられました。
ロウソクが燃焼するというありふれた事象でも、溶けたロウが芯へと運ばれる毛細管効果や燃焼に酸素が必要なこと、燃焼後に水素と酸素が反応した結果として水が発生すること、そして燃焼後に発生する酸化物について詳しく解説している。
そこから物質の三態や炎色反応などなど、化学的な話を実験を見せながら進めていきます。
火をともしたロウソクという誰でも手にすることができるものからここまで話を膨らませることができるんだということに感動した。
聴講生たちの食い入るような眼差しが想像できる。
そのまま中学の化学の授業にしても十分通用しますね。
化学の勉強をはじめた当時に読みたかった本だった。
中学生の課題図書にしてもいいくらい。

高等教育を受けていないにもかかわらず独学で科学を学び、実験助手として雇われてからは次々と新しい発見をしていったファラデー。
実験主義者と言われるけれど、純粋に新しいものを見つけたりするのが好きだったんだろう。
中学の化学実験の時間に黒い机の上に試験管やシャーレ、アルコールランプが並んでいるのを見て楽しかったのを思い出した。
化学の発展に大きく貢献した学者たちに敬意を表して。
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DB
DB さん本が好き!1級(書評数:2024 件)

好きなジャンルは歴史、幻想、SF、科学です。あまり読まないのは恋愛物と流行り物。興味がないのはハウツー本と経済書。読んだ本を自分の好みというフィルターにかけて紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。

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