DBさん
レビュアー:
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平安時代のシンデレラの話
なんとなく手に取り、なんとなく読み始めて小一時間で読み終わりました。
落窪物語といえば古文の時間に難解な日本語と格闘して面白さどころじゃなかった記憶しかないけれど。
現代語訳して和風シンデレラストーリーと帯をはってしまえば、王朝物の単純さが面白い物語に変わります。
継母にいじめられみすぼらしい身なりをした灰かぶりこと落窪の君は、美しい黒髪に美貌の姫だった。
父親は中納言、亡き母が皇女だったため身分は高いのに、継母に使用人のように使われ衣装も食事も満足には与えられないような冷遇を受けている。
それでも琴の腕は素晴らしく、性格もよくて健気な姫君といった設定です。
おちくぼ姫の乳兄弟の阿漕はそんな姫のことをとても大切にしていて、幸せになってほしいと願っていた。
中納言と継母の三女のところへ通う蔵人の少将の部下の帯刀と恋愛結婚した阿漕ですが、その帯刀を使っておちくぼ姫に良縁を探し始めます。
白羽の矢が立ったのが帯刀の乳兄弟の右近の少将でしたが、こちらは親に結婚を勧められてもまだ独身生活を謳歌したいと聞く耳持たず。
それでもおちくぼ姫の美しさを伝え聞いて、家人が留守の隙に遊び心で忍んできます。
光源氏ならこれで情をかわし、運がよければ時折通うか、遠くで思いつつ文がやり取りされるかどうかといった展開になるのですが。
右近の少将がおちくぼ部屋の部屋に入ってきても、姫は自分の衣装や部屋のみすぼらしさに惨めな思いを隠せない。
だが遊び人の少将にはそれが新鮮だったようで、少将は不遇の姫に本気で恋をし妻にと望むという展開でした。
しっかり者の阿漕の活躍で姫の嫁入りの用意も整え、少将はおちくぼ姫と三日夜の餅を食べることに。
右近の少将を自分の四女の婿にしたかった継母は、おちくぼ姫への虐待をさらに酷くするのだがそれもむしろ少将の恋心に油を注ぐ役割しか果たさなかった。
シンデレラというだけにハッピーエンドは見えているのだが、紆余曲折が楽しめる話だった。
少女漫画かハーレクインのような物語が古典にも存在したというのが驚きです。
子供でも楽しめるようにわかりやすい文章で古典の単語にはちゃんと説明も入れてある。
後半を端折って面白いところで終わらせているのが田辺聖子流なんでしょうか。
機会があったらもう少し原典に忠実な現代語訳でも読んでみよう。
落窪物語といえば古文の時間に難解な日本語と格闘して面白さどころじゃなかった記憶しかないけれど。
現代語訳して和風シンデレラストーリーと帯をはってしまえば、王朝物の単純さが面白い物語に変わります。
継母にいじめられみすぼらしい身なりをした灰かぶりこと落窪の君は、美しい黒髪に美貌の姫だった。
父親は中納言、亡き母が皇女だったため身分は高いのに、継母に使用人のように使われ衣装も食事も満足には与えられないような冷遇を受けている。
それでも琴の腕は素晴らしく、性格もよくて健気な姫君といった設定です。
おちくぼ姫の乳兄弟の阿漕はそんな姫のことをとても大切にしていて、幸せになってほしいと願っていた。
中納言と継母の三女のところへ通う蔵人の少将の部下の帯刀と恋愛結婚した阿漕ですが、その帯刀を使っておちくぼ姫に良縁を探し始めます。
白羽の矢が立ったのが帯刀の乳兄弟の右近の少将でしたが、こちらは親に結婚を勧められてもまだ独身生活を謳歌したいと聞く耳持たず。
それでもおちくぼ姫の美しさを伝え聞いて、家人が留守の隙に遊び心で忍んできます。
光源氏ならこれで情をかわし、運がよければ時折通うか、遠くで思いつつ文がやり取りされるかどうかといった展開になるのですが。
右近の少将がおちくぼ部屋の部屋に入ってきても、姫は自分の衣装や部屋のみすぼらしさに惨めな思いを隠せない。
だが遊び人の少将にはそれが新鮮だったようで、少将は不遇の姫に本気で恋をし妻にと望むという展開でした。
しっかり者の阿漕の活躍で姫の嫁入りの用意も整え、少将はおちくぼ姫と三日夜の餅を食べることに。
右近の少将を自分の四女の婿にしたかった継母は、おちくぼ姫への虐待をさらに酷くするのだがそれもむしろ少将の恋心に油を注ぐ役割しか果たさなかった。
シンデレラというだけにハッピーエンドは見えているのだが、紆余曲折が楽しめる話だった。
少女漫画かハーレクインのような物語が古典にも存在したというのが驚きです。
子供でも楽しめるようにわかりやすい文章で古典の単語にはちゃんと説明も入れてある。
後半を端折って面白いところで終わらせているのが田辺聖子流なんでしょうか。
機会があったらもう少し原典に忠実な現代語訳でも読んでみよう。
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好きなジャンルは歴史、幻想、SF、科学です。あまり読まないのは恋愛物と流行り物。興味がないのはハウツー本と経済書。読んだ本を自分の好みというフィルターにかけて紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。
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- 出版社:角川書店
- ページ数:230
- ISBN:9784041314234
- 発売日:1990年05月01日
- 価格:460円
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