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はなとゆめ+猫の本棚
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世の中の出来事の多くは超能力者によって引き起こされる。しかし、世の中には超能力は存在しないことになっている。
 1975年、400万部以上売り上げした大ベストセラー「七瀬シリーズ」3部作の2作目。
何回もテレビドラマ化され、映画化もされている。

 人の心を透視できる主人公七瀬と同じく透視できる5歳のノリオ、念動力を使う黒人ヘンリー、予知能力をもつ岩淵、時間をあやつるタイムトラベラーの藤子など、超能力保有者が、それぞれの超能力を駆使して迫る危機を突破してゆく連作短編集。

 面白いのは、現代社会では超能力者の存在は無いとされている。だから闇雲に超能力を使用はできないところ。

 例えば七瀬はクラブ「ゼウス」でホステスをしている。同僚のホステスしげみがペンダントのダイヤを落としたが気がつかない。そのダイヤをホステス弥栄が拾ってバッグに隠す。

 これを七瀬はみてしまう。

 客に西尾という男がいる。この西尾も超能力者で透視ができる。そして西尾は弥栄のバッグの中にダイヤが隠されていることを掴む。西尾はこれを武器にして、弥栄をものにしようとする。弥栄は震えあがり、嘆き悲しむ。七瀬は西尾の心も弥栄の心もわかる。

 何とか西尾の策略をやめさせようと思うのだが、それが超能力によって知りえたことだから、西尾や弥栄の前でしゃべるわけにいかない。どうして知っているのかと問われたら答えられない。

 超能力で事件が起こると、それは存在しないことになっているから、社会秩序が収拾つかないことになる。だから、国家は超能力者たちを排斥にかかる。

 物語では、最後に七瀬を初め、超能力者たちが殺戮される。え?っと驚く。だってこのシリーズは3部まであるのだから。

 しかし、この世界は、無数に物事が、平行して起こる多元宇宙のどれかひとつの世界。
藤子の時間旅行能力により、無数の中の、殺戮されない世界に超能力者たちは導かれる。

 SFとしては、今からみれば目新しくないが70年近く前では斬新だった。

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はなとゆめ+猫の本棚
はなとゆめ+猫の本棚 さん本が好き!1級(書評数:6243 件)

昔から活字中毒症。字さえあれば辞書でも見飽きないです。
年金暮らしになりましたので、毎日読書三昧です。一日2冊までを限度に読んでいます。
お金がないので、文庫、それも中古と情けない状態ですが、書評を掲載させて頂きます。よろしくお願いします。

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この書評へのコメント

  1. 星落秋風五丈原2021-09-30 20:27

    はなとゆめ+猫の本棚さんこんばんは。七瀬シリーズ懐かしいです。

  2. No Image

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