かもめ通信さん
レビュアー:
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いやはや全く本当に、噂どおり変な本だった。 #カドブン夏フェア2022
上巻に続けて一気読み!
正木教授が研究していたのは「心理遺伝」。
“人間は自分の先祖がかつて、そんな気分、精神状態になった場面、品物、時候、天候なぞという暗示にぶつかると、ありし昔に立ち返る。”という理論だ。
どうやら“この種の暗示を巧みに利用すると、出合い頭に他人を発狂させることができる”と考えていたようだ。
つまり「私」は誰かの企みによって、罪を犯すべく陥れられたということか?
なるほどそうか、この犯罪を計画したのはあの人で、動機はこんなところに違いない…とほぼ確信して下巻を読み進めると、正木教授が書いたとされるこんなくだりにぶちあたる。
またまたそんな、目くらましのような…と、半信半疑でさらに進むと……さきほどまでの確信が揺らいでいって……。
いやはや全く本当に、噂どおり変な本だった。
たしかにちょっとくどすぎて、途中食傷気味になりはしたが、こういうの意外ときらいじゃなかった。
ちなみにこの米倉斉加年氏の絵を使った角川版の装丁、確かに目は引くが、手に取りにくいと思う読者も多いはず。
奇妙という以外にストーリーとの整合性があるとも思えないし、タイトルを聞いてこの絵を思い浮かべるという一定年齢以上の読者はともかく、新規読者を獲得するには、かまわぬカバーの様なニューバージョンがあっても良い気がするのだけれど、そのあたりはどうなのか、気になるところではある。
正木教授が研究していたのは「心理遺伝」。
“人間は自分の先祖がかつて、そんな気分、精神状態になった場面、品物、時候、天候なぞという暗示にぶつかると、ありし昔に立ち返る。”という理論だ。
どうやら“この種の暗示を巧みに利用すると、出合い頭に他人を発狂させることができる”と考えていたようだ。
つまり「私」は誰かの企みによって、罪を犯すべく陥れられたということか?
なるほどそうか、この犯罪を計画したのはあの人で、動機はこんなところに違いない…とほぼ確信して下巻を読み進めると、正木教授が書いたとされるこんなくだりにぶちあたる。
エッ……ナナ何だって…ブルブル…もうこの事件の真犯人がわかったというのかね…。
…イヤ…こりゃあドウモ驚いた。
いくら名探偵だって、そう敏活に頭が働いちゃ困る。第一我が輩と若林が飯の喰い上げになる。
またまたそんな、目くらましのような…と、半信半疑でさらに進むと……さきほどまでの確信が揺らいでいって……。
いやはや全く本当に、噂どおり変な本だった。
たしかにちょっとくどすぎて、途中食傷気味になりはしたが、こういうの意外ときらいじゃなかった。
ちなみにこの米倉斉加年氏の絵を使った角川版の装丁、確かに目は引くが、手に取りにくいと思う読者も多いはず。
奇妙という以外にストーリーとの整合性があるとも思えないし、タイトルを聞いてこの絵を思い浮かべるという一定年齢以上の読者はともかく、新規読者を獲得するには、かまわぬカバーの様なニューバージョンがあっても良い気がするのだけれど、そのあたりはどうなのか、気になるところではある。
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本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。
この書評へのコメント
- かもめ通信2022-07-18 16:06
祐太郎さん主宰の“カドブン夏フェア2022に挑戦!”参加レビューです。
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