今から50年以上も前、大学4年のとき、アグネス チャンの「小さな恋の物語」という歌が流行った。本のタイトルは東野がこのアグネス チャンの歌をもじってつけたのか、それとも更にそこから4年前に流行った映画「小さな恋のメロディー」からつけたのか、東野の遊び心がでていて楽しい。
この本にはすでに別の作品集で発表済みの3篇が収録されている。うち2編は既読済で、3篇目の「小さな故意の物語」だけが未読だった。
2編目の「しのぶセンセの推理」を読んだとき、小学6年生の男の子が事件の鍵を握っていて、しかもその小学生の子が、軽トラを運転できたことによって発生した事件だということを知り、この発想、まだ東野は小説家をスタートしたばかり、とんでもなく柔軟な発想ができる作家が登場してきたと驚愕したことを思い出す。
本のタイトルにもなっている作品。
主人公の中岡良が小学5年生の時、東京から佐伯洋子という可愛い女の子が転校してくる。洋子は可愛いなと良は思ったが、その時サッカークラブで友達だった行原達也が洋子にプロポーズして洋子と達也は恋人同士になる。
しかし、人生の夜明けは高校から始まり、大学生になり弾ける。男の子というのは、女々しく、そういう時であっても、洋子に拘る。それが洋子には重荷で、うっとうしくて仕方ない。それが事件につながる。
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