コロナ禍の日本が舞台。高校生の亜沙(あさ)が主人公のようだ。亜沙は天文部に入っている。綿引(わたびき)という先生が作った天文部に入りたくて三高と呼ばれる高校を選んだのだ。
一方、円華(まどか)は長崎県の五島列島に住んでいる高校生だ。同級生に誘われて天文台に星を見に行った。
話は戻り、亜沙のいる天文部ではナスミス式望遠鏡を作ろうとしていた。この望遠鏡はどの方向を観測しても、高さを変えずに見ることができる。
コロナに関する記述からは、コロナがどれだけ世界に悪影響を与えたのかが実感できる。しかし、そんな状況でも中学生や高校生の持つ青春のエネルギーを完全に止めることはできなかった。
コロナ禍なので直接会うことはできないが、亜沙の天文部はオンラインで中学生の真宙(まひろ)や天音(あまね)とつながっていく。
さらに、長崎の円華たちもそこに加わる。すべての活動が制限される中でも、学生たちがひとつの目標に向かって進んでいく。これぞアオハル小説という感じのストレートな小説である。読後感もさわやかだ。
亜沙たち、真宙、そして円華たちのグループは「スターキャッチコンテスト」をすることになる。手作りの望遠鏡で星を観測し、点数を競う大会だ。
行動が自由にできない中での、一夏の経験。きっと心に刻まれ、一生の財産になるのだろう。しかし、年を取っても自分なりの挑戦をすることは可能だ。今から青春を取り戻すのは無理でも、できる範囲でチャレンジし、今を生きることはできる。何かに夢中になることの素晴らしさを教えられた作品だった。
この書評へのコメント