あかつきさん
レビュアー:
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「おいつきおいこせ」の精神とルター派の勤勉さが結びついた新興王国.爛れて馥郁たる腐臭を放つほど熟成するには短命であった.
さて,プロイセン王家,ホーエンツォレルン家である,ひゃっほう.←口癖.あまり意味はない
これまで中野さんは各王家の歴史を
この家の哀しさは「(ホーエン)ツォレルン家」という家名が日本では人口に膾炙されていない事だろうか.勃興はハプスブルグと同じくらい古いのに,可哀想.
わたしはブランデンブルグ選帝候のほうが耳なじみがあったのだが,ちゃんとベンキョし直すとブランデンブルグ辺境伯はアスカニア家→ヴィッテルスバッハ家→ルクセンブルク家…と継いでいくうちに選帝侯になって,ホーエンツォレルン家が継いだのは1415年,その200年後にプロイセン公国の公位を兼ねることとなり両国はブランデンブルク=プロイセンとして同君連合国に,さらに100年後(1701年)にプロイセン王国が成立してブランデンブルクは州として吸収されることになった.そうだ.うーん,ブランデンブルク協奏曲(1721年にブランデンブルク=シュヴェート辺境伯に献呈)が聴こえる.
つまり,王家としてのホーエンツォレルン家の歴史は1701年に始まり第一次世界大戦で瓦解する217年という短さになってしまう.
遅くに産まれたこの国のスローガンは,老舗王国に「おいつけおいこせ」であり,それが元々の精神性;ルター派の質実剛健さ,真面目さと相性が良かった.
そう思えば,同じく「おいつきおいこせ」の真面目な極東人が維新後にプロイセンに倣ったことはごく自然な流れであろう.
今,ドイツ人の気質として浸透している勤勉さ,正確さ(そしてちょっとおもしろくないかんじ)はこのプロイセン王国の気質によるものかもしれない.
ま,それはとにかく「辺境伯」とか「選帝侯」とかの字面って萌えるよね,ハァハァ(*´Д`)
さて,217年という長さであれば,江戸時代とたいして変わらない.この間日本では15人の将軍が現れたが,プロイセンの王はたった9人だ.
しかも,その名前は受験生に優しいことにフリードリヒかヴィルヘルム,さらにその両方の3択である.列挙する.
1代 フリードリヒ1世
2代 フリードリヒ・ヴィルヘルム1世
3代 フ 2世
4代 フ・ヴ 2世
5代 フ・ヴ 3世
6代 フ・ヴ 4世
7代 ヴ 1世
8代 フ 3世
9代 ヴ 2世
覚えやすいでしょ?
…んなわけないわと同時代人も思ったようで,夫々あだ名が付いた.「猫背のフリッツ」や「兵隊王」,「大王」とかはともかく「デブの女たらし」や「不定詞王」,「ひらめ(3)」にいたってはプロイセン人にユーモアがないというのは嘘だと思わせてくれる.
ところで,ドイツの試験で「デブの女たらし」と回答したら正解になるのだろうか.「ヒラメ」を「カレイ」と書いた生徒は地団太を踏むだろうな.
さて,まったく「名画」の話にいかないが,まあ興味があればグラフの「フリードリヒ大王(1)」やレンバッハの「ビスマルク(2)」を見ていてくれ.←をい.
ところで,プロイセンといえば,やはり髭について語らねばならないだろう,中野さんよと思っていたらやはり言及があった.期待を裏切らない人である.なにせ彼女はかの「はじめてのルーヴル」において
中野さんが髭を愛しているかは知らぬが,わたしは髭を偏愛する傾向と髭をついばむ小鳥のような性癖の持ち主である.
はっきり言って頭髪なんぞどうでも良く,実際に今の愛人は頭髪薄めだが実に良い髭を蓄えている.
疎に非ず密に非ず,固すぎず柔らかすぎず,色は程よく銀色が優勢で,巡行で撫でても逆行で嘗めても毛先をツンツンしても純人毛100%の素晴らしい触感なのである.しかも無造作なのに無精ではなく整えていないのに乱れていない天然芝.因みに育成速度はやや遅く,10-14日モノが長さ的に6-8mmほどで一番触り心地が良い.15日を過ぎると畑(本人)側の限界となり収穫されてしまう.
そもそも世の中の男性は頭髪に拘りすぎなのである.
考えても見て欲しい.
ぶっちゃけハゲは美男でも不細工でも似あう(美男のハゲの迫力たるや).
そしてユパ様もオビワンもハゲてるが髭があるが故にかっこいい.
ならば,髪が薄くなった男が拘るべきなのはハゲの誤魔化し方ではなく自分の顔に似合う髭の蓄え方ではないのか.
何の話だ.
これまで中野さんは各王家の歴史を
オーストリア・ハプスブルグ家:婚姻外交によるアメーバ的領土拡大(+増殖しすぎの空中分解)などと評していたが,ホーエンツォレルン家はどう評すだろうか.
スペイン・ハプスブルグ家:陽の沈まぬ国を打ち立てながら血族結婚繰り返しの果てに断絶した斜陽の国
ブルボン家:華麗なる宮廷文化とそれが招いたフランス革命
ロマノフ家:徹底した秘密主義と農奴制の反動によるロシア革命
この家の哀しさは「(ホーエン)ツォレルン家」という家名が日本では人口に膾炙されていない事だろうか.勃興はハプスブルグと同じくらい古いのに,可哀想.
わたしはブランデンブルグ選帝候のほうが耳なじみがあったのだが,ちゃんとベンキョし直すとブランデンブルグ辺境伯はアスカニア家→ヴィッテルスバッハ家→ルクセンブルク家…と継いでいくうちに選帝侯になって,ホーエンツォレルン家が継いだのは1415年,その200年後にプロイセン公国の公位を兼ねることとなり両国はブランデンブルク=プロイセンとして同君連合国に,さらに100年後(1701年)にプロイセン王国が成立してブランデンブルクは州として吸収されることになった.そうだ.うーん,ブランデンブルク協奏曲(1721年にブランデンブルク=シュヴェート辺境伯に献呈)が聴こえる.
つまり,王家としてのホーエンツォレルン家の歴史は1701年に始まり第一次世界大戦で瓦解する217年という短さになってしまう.
遅くに産まれたこの国のスローガンは,老舗王国に「おいつけおいこせ」であり,それが元々の精神性;ルター派の質実剛健さ,真面目さと相性が良かった.
そう思えば,同じく「おいつきおいこせ」の真面目な極東人が維新後にプロイセンに倣ったことはごく自然な流れであろう.
今,ドイツ人の気質として浸透している勤勉さ,正確さ(そしてちょっとおもしろくないかんじ)はこのプロイセン王国の気質によるものかもしれない.
ま,それはとにかく「辺境伯」とか「選帝侯」とかの字面って萌えるよね,ハァハァ(*´Д`)
さて,217年という長さであれば,江戸時代とたいして変わらない.この間日本では15人の将軍が現れたが,プロイセンの王はたった9人だ.
しかも,その名前は受験生に優しいことにフリードリヒかヴィルヘルム,さらにその両方の3択である.列挙する.
1代 フリードリヒ1世
2代 フリードリヒ・ヴィルヘルム1世
3代 フ 2世
4代 フ・ヴ 2世
5代 フ・ヴ 3世
6代 フ・ヴ 4世
7代 ヴ 1世
8代 フ 3世
9代 ヴ 2世
覚えやすいでしょ?
…んなわけないわと同時代人も思ったようで,夫々あだ名が付いた.「猫背のフリッツ」や「兵隊王」,「大王」とかはともかく「デブの女たらし」や「不定詞王」,「ひらめ(3)」にいたってはプロイセン人にユーモアがないというのは嘘だと思わせてくれる.
ところで,ドイツの試験で「デブの女たらし」と回答したら正解になるのだろうか.「ヒラメ」を「カレイ」と書いた生徒は地団太を踏むだろうな.
さて,まったく「名画」の話にいかないが,まあ興味があればグラフの「フリードリヒ大王(1)」やレンバッハの「ビスマルク(2)」を見ていてくれ.←をい.
ところで,プロイセンといえば,やはり髭について語らねばならないだろう,中野さんよと思っていたらやはり言及があった.期待を裏切らない人である.なにせ彼女はかの「はじめてのルーヴル」において
「鬘と髭は相性が悪いらしく、鬘の時代に髭はなく、髭の時代に鬘はない。男性というものは、どちらか一方に毛が生えていればオーケーなのかもしれない。」という名言を残した人なのである.
中野さんが髭を愛しているかは知らぬが,わたしは髭を偏愛する傾向と髭をついばむ小鳥のような性癖の持ち主である.
はっきり言って頭髪なんぞどうでも良く,実際に今の愛人は頭髪薄めだが実に良い髭を蓄えている.
疎に非ず密に非ず,固すぎず柔らかすぎず,色は程よく銀色が優勢で,巡行で撫でても逆行で嘗めても毛先をツンツンしても純人毛100%の素晴らしい触感なのである.しかも無造作なのに無精ではなく整えていないのに乱れていない天然芝.因みに育成速度はやや遅く,10-14日モノが長さ的に6-8mmほどで一番触り心地が良い.15日を過ぎると畑(本人)側の限界となり収穫されてしまう.
そもそも世の中の男性は頭髪に拘りすぎなのである.
考えても見て欲しい.
ぶっちゃけハゲは美男でも不細工でも似あう(美男のハゲの迫力たるや).
そしてユパ様もオビワンもハゲてるが髭があるが故にかっこいい.
ならば,髪が薄くなった男が拘るべきなのはハゲの誤魔化し方ではなく自分の顔に似合う髭の蓄え方ではないのか.
何の話だ.
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色々世界がひっくり返って読書との距離を測り中.往きて還るかは神の味噌汁.「セミンゴの会」会員No1214.別名焼き粉とも.読書は背徳の蜜の味.毒を喰らわば根元まで.
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