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マメゾー
レビュアー:
はじめて読んだアルゼンチンの作家の短編集は不思議な味わいだった。
 訳者の宇野和美さんの名前に惹かれて読んでみた。「ぼく」が子ども時代を振りかえって書いた物語が10編が収められている。

 いつもピンチになるとあらわれる友が登場する「見知らぬ友」。
 髪を切るのが嫌いだった「ぼく」が、床屋のエリアスからきくサムソンの話。「世界一強い男」。
 観賞魚を通じてほのかに女の子と心を通わせる「ヴェネツィア」。
 フォークランド紛争中のアルゼンチンの家庭を描いた「立ち入り禁止」。
 探し物を続ける「黒い石」。
 自分が書いたものを横取りされてしまった「地球のかたわれ」。
 ラブレターをめぐる行き違いを描いた「失われたラブレター」。
 サッカー選手との不思議な出会いを描いた「ムコンボ」
 飛行機で隣に乗り合わせた少年との交流を描いた「飛行機の旅」。
 一枚の写真をめぐる物語「クラス一の美少女」。

 物語の時代が1980年代ならなのか、どこか懐かしい雰囲気がある。季節が北半球と違っていたり、習慣が違っていたりしても、日々の生活や思っていることは同じなのだと思わせてくれる。

人はどんなに幼くても、世の中の不公平に気がつかないほど子どもじゃない。
「ムコンボ」より


 子どものころに誰でも感じる些細なことを拾い上げて、ちょっと意外な結末で終わるところもいい。特に「失われたラブレター」は、ラブレターの意外な渡し方から、そのラブレターがラブレターにならなかった理由まで、よくできていておもしろかった。
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マメゾー
マメゾー さん本が好き!1級(書評数:118 件)

ミステリーやファンタジーが好きです。いろいろな本と出会いたいです。

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この書評へのコメント

  1. かもめ通信2021-06-22 09:21

    マメゾーさんがTwitterを利用されているかどうかわからなかったので,
    お節介かもと思いつつも,訳者の宇野さんのコメントを貼っておきます。

    https://twitter.com/miranfu/status/1407121500662992898

  2. マメゾー2021-06-22 21:27

    かもめ通信さん

    わあ、ありがとうございます。Twitterはアカウントはあっても休業状態でチェックしていませんでした。嬉しかったです。

  3. No Image

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