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かもめ通信
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ゆっくりと読み進めている須賀敦子全集もようやく6冊目。今回はちょっとてこずりましたが、それでもやはり読んで良かった。
ゆっくりと読み進めている須賀敦子全集もようやく6冊目。
「イタリア文学論」というくくりで、ギンズブルグ、サバ、ウンガレッティ、ダンテと、須賀さんがこよなく愛した作家や詩人たちの作品論が収録されている他、須賀さんが訳したナタリア・ギンズブルグアントニオ・タブッキイタロ・カルヴィーノ、それぞれについての「訳者あとがき」も合わせて収録。

詩に関する論考ではイタリア語がわかれば、もっと楽しめただろうにとおもう部分も多かったが、それでもやはり、どの文面からも須賀さんがそれぞれの作品にどれだけ深い思い入れをもっていたかがにじみ出ていて、そのこと自体に心を打たれもする。

とりわけ私にとっての読みどころはなんといってもナタリア・ギンズブルグ。
2つの論考の読み応えといい、翻訳書のあとがきといい、須賀さんがどれほど深くナタリア・ギンズブルグその人と、その作品を愛していたかがよくわかる。
『マンゾーニ家の人々』を日本語で翻訳出版することに、はなはだ懐疑的だったナタリアが、須賀さんの説明を聞いた後、しばらく考えてから「あの本があなたの言うようだったら、わたしがこの作品を書いた目的が達せられているのだから、うれしい」とつぶやいたというくだりがとても好きだ。

<関連レビュー>
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かもめ通信
かもめ通信 さん本が好き!免許皆伝(書評数:2235 件)

本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。

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