星落秋風五丈原さん
レビュアー:
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チェーザレとはわけあり ルクレツィアとは気の置けない女友達 そしてロドリーゴが雇い主 チェーザレ一族にどっぷりはまってます
ルネサンス期、イタリア。長く教皇位にあったインノケンティウス8世が死の床にあり、枢機卿ロドリーゴ・ボルジアは有力候補者の一人とみられていた。そんな時、彼に仕えていた毒殺師が殺されてしまい、一人娘のフランチェスカが父の後を継ぐことになる。
インノケンティウス8世の死からアレクサンデル6世(ロドリーゴ・ボルジア)の誕生まではドラマティックな展開であり、ドラマでも小説でもよく取り上げられる。ロドリーゴ・ボルジアが第一候補ではなかったにも拘わらず、有力なライバルを退けたからだ。裏では何かあったに違いないと囁かれるも、確たる証拠は残っていない。そうなるとフィクションの出番。いた人いない人、あった事なかった事を書き放題だ。
今回登場するフランチェスカもフィクションの存在&職業だが、カンタレラを暗殺に用いたと伝えられているボルジア家なので、それ専門の職人がいても不思議ではない。かつ、彼女はイケ面と噂のチェーザレ・ボルジアとわりない仲になっており、その妹で美女のルクレツィアからは、身分は違うが姉のように慕われている。ロドリーゴ・ボルジアは上司。おいしいポジションの彼女を媒介にしていくらでもボルジア家が書ける。憎み切れないろくでなしのようで、ヒロイン危機の時にはきっちり助けてやっぱりカッコいい枠を確保するチェーザレ(ベッドシーン多し!いや、気持ちはわかる)。あどけないようでいて、権力者の娘としての運命を悟っているようなルクレツィア。“暗殺毒殺なんでもござれ”というより、むしろ標的とされているめずらしく“いいひと”ロドリーゴ。
コンクラーヴェの行方がどうなるかは知っているので、今回は最低ラインの安心感はあった。本作は三部作だが、2作目、3作目の原題にははっきりBorgiaがついているので、ヒロインは最高権力者となった一族の周りで更なる活躍をするのだろう。今回はヴァチカン内部の争いだったが、次回以降は国を越えた争いにも発展するのでは。
インノケンティウス8世の死からアレクサンデル6世(ロドリーゴ・ボルジア)の誕生まではドラマティックな展開であり、ドラマでも小説でもよく取り上げられる。ロドリーゴ・ボルジアが第一候補ではなかったにも拘わらず、有力なライバルを退けたからだ。裏では何かあったに違いないと囁かれるも、確たる証拠は残っていない。そうなるとフィクションの出番。いた人いない人、あった事なかった事を書き放題だ。
今回登場するフランチェスカもフィクションの存在&職業だが、カンタレラを暗殺に用いたと伝えられているボルジア家なので、それ専門の職人がいても不思議ではない。かつ、彼女はイケ面と噂のチェーザレ・ボルジアとわりない仲になっており、その妹で美女のルクレツィアからは、身分は違うが姉のように慕われている。ロドリーゴ・ボルジアは上司。おいしいポジションの彼女を媒介にしていくらでもボルジア家が書ける。憎み切れないろくでなしのようで、ヒロイン危機の時にはきっちり助けてやっぱりカッコいい枠を確保するチェーザレ(ベッドシーン多し!いや、気持ちはわかる)。あどけないようでいて、権力者の娘としての運命を悟っているようなルクレツィア。“暗殺毒殺なんでもござれ”というより、むしろ標的とされているめずらしく“いいひと”ロドリーゴ。
コンクラーヴェの行方がどうなるかは知っているので、今回は最低ラインの安心感はあった。本作は三部作だが、2作目、3作目の原題にははっきりBorgiaがついているので、ヒロインは最高権力者となった一族の周りで更なる活躍をするのだろう。今回はヴァチカン内部の争いだったが、次回以降は国を越えた争いにも発展するのでは。
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2005年より書評業。外国人向け情報誌の編集&翻訳、論文添削をしています。生きていく上で大切なことを教えてくれた本、懐かしい思い出と共にある本、これからも様々な本と出会えればと思います。
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- 出版社:集英社
- ページ数:501
- ISBN:9784087606836
- 発売日:2014年03月20日
- 価格:1026円
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