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Jun Shinoさん
Jun  Shino
レビュアー:
有名な江戸川乱歩のミステリベストテンの作品には締まってないな、という作品もあるけれど、2位の「黄色い部屋」は密室トリックの名作だと思います。
もう、5年以上前に読み書いた書評が残っていた。投入します。

密室ミステリーの金字塔と呼ばれる古典。ふむふむ、と感心すると同時に、やっぱりおフランスものだなあ、という気もした。

原子物理学の権威、スタンガースン博士の娘で助手のマチルドが、「黄色い部屋」と呼ばれる自室で暴漢に襲われ、瀕死の重傷を負った。部屋は完全な密室状態で、また家屋の外に出るには博士たちのいた実験室を通らなければならない。「エポック」紙の若き記者、ルールタビーユと弁護士のサンクレールは、謎を解き明かすべく、地方の城に住まう博士の元へと向かう。


フランスものは、特有の浮かれた感じがあって、また理屈っぽくもあり、特に出だしはなかなかなじまないところがある。確かにミステリーとして面白い作品だが、やはり最初は進まなかった。

しかしさすが、密室トリック、というか謎解きは、見事である。序盤時代感があった割にかなり整然としている印象。意外な犯人も予想外で、物語途中の派手なエピソードもベリーグッド。ただ動機、犯人の立ち回りはもう少し洗練できたかな、と。中盤もったりしてる感もある。まあ名作とはこういうものだ。

ルルーといえば、「オペラ座の怪人」が有名だけれど、私は、ミステリーをたくさん読んでいた若い頃、このフランス風すぎる文章についていけず、珍しく途中で読むのを止めてしまった。今も未読である。ミステリ好きの先輩とその話をした時に「そうか、でもルルーの名作といえば『黄色い部屋』だからな」と言われた覚えがある。

「黄色い部屋」は、次作の「黒衣婦人の香り」という続編と併せて読むと面白いと聞いていて、この3年後くらいにたまたま入手。まだ読んでない。そのうちにと思って数年。

そういえば江戸川乱歩ベストテンも読んでないのがあってそのうちそのうちになっている。カーの「帽子収集狂事件」もまだだー。

ちなみに

1位「赤毛のレドメイン家」イーデン・フィルポッツ
2位「黄色い部屋の謎」ガストン・ルルー
3位「僧正殺人事件」ヴァン・ダイン
4位「Yの悲劇」エラリー・クイーン
5位「トレント最後の事件」E・C・ベントリー

6位「アクロイド殺し」アガサ・クリスティー
7位「帽子収集狂事件」ディクスン・カー
8位「赤い館の秘密」A・A・ミルン
9位「樽」F・W・クロフツ
10位「ナイン・テーラーズ」ドロシー・L・セイヤーズ

でっす。

課題図書多し笑。早めに消化しよう。
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Jun  Shino
Jun Shino さん本が好き!1級(書評数:1366 件)

読む本の傾向は、女子系だと言われたことがあります。シャーロッキアン、アヤツジスト、北村カオリスタ。シェイクスピア、川端康成、宮沢賢治に最近ちょっと泉鏡花。アート、クラシック、ミステリ、宇宙もの、神代・飛鳥奈良万葉・平安ときて源氏物語、スポーツもの、ちょいホラーを読みます。海外の名作をもう少し読むこと。いまの密かな目標です。

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この書評へのコメント

  1. ゆうちゃん2021-11-25 00:27

    投稿されましたね。確かに序盤、もたもたしていましたね。現場に向かう時の演劇マニアの判事との電車の中の会話など要らないのではないかと思いましたが、事件を単なる説明にしないための著者なりの工夫なのでしょうね。

  2. Jun Shino2021-11-24 22:41

    読んでだいぶ経つので実はすでにおぼろなのですが、屋敷までなかなか着かないな、と思った記憶があります。ゆるりがあるから切れるところが目立つのかも知れませんね。

    ありがとうございます!おかげさまで自分の書評を再読してアップするいい機会となりました^_^

  3. No Image

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