DBさん
レビュアー:
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日本史が楽しくなる話
『文豪たちの怪しい宴』が面白かったので、バー「スリーバレー」を舞台にした作品をもう一冊読んでみました。
毎回珍説を語り、しかも理路整然とそれを証明する論理家の宮田は同じ。
バーテンダーは背が低くずんぐりむっくりとした体形の松永という男で、バーテンダーなのに五種類のカクテルしか記憶していないという。
そして宮田の論戦相手となるのが世界史専攻で文学部助手の早乙女だ。
松永から見ると美貌の才女のようですが、同性から見れば自信過剰なマウンティング系にしか見えない。
早乙女の同行者として日本史専攻の三谷教授も同席しているが、横で二人の論戦を聞いているだけどいう雰囲気です。
そして最初のお題は「悟りを開いたのはいつですか?」、仏教の開祖仏陀の話だ。
仏陀が菩提樹の下で悟りを開いたとするその時に本当に悟りを開いたのかという疑問よりも、仏陀が実は商人の子で、妻の浮気に悩んで家出をしたという話の方が面白かった。
しかも息子の名前ラーフラが「悪魔」という意味だというあたりに信憑性を感じてしまった。
続く話がタイトルにもなっている「邪馬台国はどこですか?」です。
九州か畿内かという論争に乗っかるのかと思いきや、宮田が邪馬台国として指したのは意外な場所だった。
しかも魏志倭人伝の書き間違いと思われるところを見事に説明してたどり着いた地点になる。
はたして卑弥呼の金印はどこから発見されるのか、ぜひ解明してほしい。
そして「聖徳太子は誰ですか?」とこれも古代日本史からのお題です。
聖徳太子は存在しなかったという学説が出たり、教科書から聖徳太子の名が消えて厩戸王と書かれるようになったという話は聞いていた。
だったら古い万札の肖像画はどうなるんだろうと思ったりもしたが、宮田の説では聖徳太子の存在が見事に消えるばかりか、大化の改新や天皇家の家系についても絡めた話になります。
確かに歴史は勝者が書くものだという意見はもっともだと思うし、「古墳は宮内庁が許可しないから掘れない」という話も思い出してしまった。
「謀反の動機はなんですか?」は本能寺の変の謎に迫ります。
明智光秀が実は南光坊天海だったという説は有名だが、そこではなくあくまで本能寺の変に主眼を置いている。
光秀単独説をとってその動機を探る話か、背後に黒幕がいたという説も多数あるが、宮田の説はその黒幕が意外な人物だった。
さらに明治維新の話と、海外に話は飛んでイエス・キリストの話が出てきます。
仏陀にはじまりキリストで終わるというのも意味深ですが、なかなか楽しめる小説だった。
毎回珍説を語り、しかも理路整然とそれを証明する論理家の宮田は同じ。
バーテンダーは背が低くずんぐりむっくりとした体形の松永という男で、バーテンダーなのに五種類のカクテルしか記憶していないという。
そして宮田の論戦相手となるのが世界史専攻で文学部助手の早乙女だ。
松永から見ると美貌の才女のようですが、同性から見れば自信過剰なマウンティング系にしか見えない。
早乙女の同行者として日本史専攻の三谷教授も同席しているが、横で二人の論戦を聞いているだけどいう雰囲気です。
そして最初のお題は「悟りを開いたのはいつですか?」、仏教の開祖仏陀の話だ。
仏陀が菩提樹の下で悟りを開いたとするその時に本当に悟りを開いたのかという疑問よりも、仏陀が実は商人の子で、妻の浮気に悩んで家出をしたという話の方が面白かった。
しかも息子の名前ラーフラが「悪魔」という意味だというあたりに信憑性を感じてしまった。
続く話がタイトルにもなっている「邪馬台国はどこですか?」です。
九州か畿内かという論争に乗っかるのかと思いきや、宮田が邪馬台国として指したのは意外な場所だった。
しかも魏志倭人伝の書き間違いと思われるところを見事に説明してたどり着いた地点になる。
はたして卑弥呼の金印はどこから発見されるのか、ぜひ解明してほしい。
そして「聖徳太子は誰ですか?」とこれも古代日本史からのお題です。
聖徳太子は存在しなかったという学説が出たり、教科書から聖徳太子の名が消えて厩戸王と書かれるようになったという話は聞いていた。
だったら古い万札の肖像画はどうなるんだろうと思ったりもしたが、宮田の説では聖徳太子の存在が見事に消えるばかりか、大化の改新や天皇家の家系についても絡めた話になります。
確かに歴史は勝者が書くものだという意見はもっともだと思うし、「古墳は宮内庁が許可しないから掘れない」という話も思い出してしまった。
「謀反の動機はなんですか?」は本能寺の変の謎に迫ります。
明智光秀が実は南光坊天海だったという説は有名だが、そこではなくあくまで本能寺の変に主眼を置いている。
光秀単独説をとってその動機を探る話か、背後に黒幕がいたという説も多数あるが、宮田の説はその黒幕が意外な人物だった。
さらに明治維新の話と、海外に話は飛んでイエス・キリストの話が出てきます。
仏陀にはじまりキリストで終わるというのも意味深ですが、なかなか楽しめる小説だった。
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好きなジャンルは歴史、幻想、SF、科学です。あまり読まないのは恋愛物と流行り物。興味がないのはハウツー本と経済書。読んだ本を自分の好みというフィルターにかけて紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。
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- 出版社:東京創元社
- ページ数:316
- ISBN:9784488422011
- 発売日:1998年05月01日
- 価格:693円
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