ある日、こぐまのくまくんは
森のなかにある小さな家にすんでいる
おじいちゃんとおばあちゃんをたずねました。
くまくんは、ここへくるのがだいすきなのです。
なぜって家のなかには、
きれいなものやおもしろいものがたくさんあって、
おばあちゃんはたくさん、ごちそうをつくってくれ、
おじいちゃんはたくさん、あそんでくれるのです。
ふたりはまた、くまくんにいろいろなおはなしをきかせてもくれます。
わずか60ページほどの絵本ですが、
この1冊の中にすてきな4つのお話が入っています。
一番最初のお話では、
くまくんがどうして森のおうちをたずねるのが大好きなのかを
そのひみつがときあかしながら、おじいちゃんとおばあちゃんを紹介してくれます。
二つ目のお話は、おばあちゃんが語ってくれる
くまくんのおかあさんの子どものころのお話。
ある日、子どもだったおかあさんは、
まいごのこまどりの赤ちゃんとであいます。
三つめのお話は、おじいちゃんが語ってくれる
「こびとのコブリン」のお話です。
そして最後のお話は、
あそびつかれたくまくんをおとうさんとおかあさんが迎えにくるお話です。
福音館のこのくまくんシリーズは全部で五冊。
実はこの「おじいちゃんとおばあちゃん」がシリーズの一番さいごの本なのですが、
わたしはこの本が一番好き。
くまくんが、おじいちゃんとおばあちゃんが語るお話を
なんど聞いてもあきないように、
私も、とおいむかし、おじいちゃんやおばあちゃんからきいた
あの話、この話を思い出しながら、ページをめくります。
絵を担当しているのは「かいじゅうたちのいるところ」のモーリス・センダック。
「かいじゅう」とはひと味ちがうセンダックの絵を
たっぷり楽しむことができるところも魅力です。
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