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T・S・エリオットと猫といえばあの話!と思うでしょう?

ブックキャット ネコのないしょの仕事!
 第二次大戦下、Faber & Faber(フェイバー&フェイバー)という出版社では、かつて詩人のT. S. エリオットがエディターを勤めていた。作品に猫を出してくるくらいなので、無類の猫好きである。

 さて、そんな彼の詩にも登場し、実際に会社猫ととして癒しの存在となった猫が主人公である。名前はモーガンで黒猫だ。黒猫が目の前を横切ると不吉という言い伝えによって保護猫率が高いため、近年では黒猫の日が設けられるほどである。そんな不憫な黒猫モーガンが、自分も家族を失って心細い思いをしているのに、戦争で親を失った子猫たちの生活を支え、永遠の住処を見つけられるように奮闘する。戦争で子を捨てる親もいるというのに、人間よりも人間らしい猫の姿は感動ものだ。

 戦争は、人間だけを傷つけるのではない。動物たちの日常も奪っていく。今も世界の戦地で多くの人が亡くなっているが、日常が戦場である彼らに、愛玩動物を育てる余裕も慈しみを与える余裕もない。彼らにこそ、癒しが必要なのに。

 著者はFaber & Faber(フェイバー&フェイバー)社創業者の孫娘である。

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  • 掲載日:2025/02/17
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