日本で20番目の女性判事、80歳の静おばあちゃんと、名古屋財界の重鎮、不動産会社の社長にして、商工会議所の会頭、脳梗塞を発症、そのため車いす生活を強いられワンマン頑固な香月玄太郎が織りなすミステリー第2弾。5つのミステリー作品が収録されている。このうち第3,4作品は連作でつながっている。
正直、このシリーズ第1弾のほうが断然面白かった。中山さんはたくさん作品を書きすぎ、この本は力を抜いて、流しているような感じがした。
前橋地裁に勤める判事牧瀬寿々男が殺害される。昔、静は前橋地裁で一緒に働いていたことがある。牧瀬は、静を尊敬し、慕っていた。その新聞記事を読んで、静は牧瀬の家に電話する。憔悴しきった妻の牧瀬久爾子を慰め、また久爾子から、夫は静さんを心から尊敬していました。ぜひお葬式に出席してほしいということから、静おばあさんは前橋に行く。
前橋警察署の末次刑事が静をアテンドする。静が色んな事件を解決してゆくとの評判を聞き、本当はいけないことだが、捜査の過程を静に話す。事件当日は激しい雨降りだった、午後9時35分に牧瀬から妻久爾子に電話がある。それが最後の電話。牧瀬はそこから1時間の間に何者かに殺害される。
しかし、いくら凶器を探しても見つからない。
このあたりまで読むと、殺人犯は妻久爾子しかありえないと読者は思うようになる。
で、静おばあちゃんが、久爾子にむかってあなたが犯人と言う。
でも、その動機が、牧瀬と結婚したが、子供ができない。それを牧瀬の両親が強く非難する。それが苦痛で、牧瀬を殺害する。殺害動機がいかにも安っぽい。
ただ、凶器がみつからないのは、刺された牧瀬が妻を犯人にしたくなくって、刺されてから用水路まで懸命に移動。そして凶器を荒れ狂う用水路に投げ入れる。荒れ狂う用水路は凶器を流し、そのうちに海まで流すというところは、ここだけは面白いと中山の想像力にうならされた。
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