大航海時代、インドを目指してポルトガルはアフリカ回りの東回り航路を進み、コロンブス(スペイン)は西回り航路で進みました。辿り着いたのは現在のアメリカでしたが、そこがインドだと勘違いしたコロンブスは、そこを西インド諸島と名付けました。ここまでは、世界史で習った話です。でも、なぜインドを目指したのかを知っていますか? それは香辛料(コショウ)を求めた旅だったのです。
当時、ポルトガルとスペインは世界を二分する勢力を持つ国でした。ともに船で新しい土地を見つけては自国のものとしていました。そのために紛争が繰り返され、1494年にカトリック教皇によって両国の間で交わされたのが「トルデシリャス条約」でした。
この条約で大西洋に境界線が引かれ、西経46度37分の境界線より東側で発見された土地はすべてポルトガルが領有し、境界線の西側で発見された土地はすべてスペインが領有するようになった。
南米のほとんどの国がスペイン語なのに、ブラジルだけポルトガル語である意味が初めて解りました。それにしても、乱暴な決め方ですよね。とはいえ、教皇が登場しなければ収まらないほど、両国の陣地争いは熾烈だったということなのでしょうね。
原産地のアンデス地方では、病気によってジャガイモが全滅しないように、複数の品種を混ぜて植えていた。いろいろな品種があれば、どんな病原菌に冒されても、いずれかの品種は生き残るのである。しかし、アイルランドでは土地から土地へとジャガイモが伝えられていく中で、品種が選ばれ、限られた品種だけが栽培されるようになってしまったのだ。
1840年代にアイルランドでジャガイモの疫病が大流行して不作となり、100万人にも及ぶ人々が餓死する大飢饉となりました。当時のイギリスはアイルランドを属国と見なしており、彼らを助けようとはしてくれませんでした。多くの人がこれを契機に新大陸アメリカへ移民するようになりました。そして、残った人たちはイギリスに対して強い不信感を持ち、独立運動へとつながっていったのだそうです。
一方、日本では江戸時代の末期に脚気が流行っていました。(蔦重も脚気で亡くなってましたよね。)明治時代になって、西洋式の食事をとる軍人には脚気が少ないと軍医が気がつき、日本海軍では西洋式の料理を取り入れるようになりました。更に、イギリス海軍を見習って日本の軍隊でも肉やジャガイモを使うカレーライスが食べられるようになり、それが一般家庭にも普及したのだそうです。更に、カレー粉を砂糖と醤油に代えた「肉じゃが」も生まれたというのです。
緑茶と紅茶は、元々は同じ葉が原料ですが、紅茶の方が痛みにくいので、遠方へ運ぶのに適していたのです。イギリスで紅茶が流行るようになり、中国から大量に輸入するようになりました。それではお金が一方的に中国へ流れてしまいます。そこでイギリスは、ある輸出品を考え出しました。
そのころ、イギリスの産業革命による安価な綿織物が植民地インドの繊維産業を破壊してしまい、その代わりにイギリスはケシをインドで栽培するようになったのです。そして、そのケシから作ったアヘンを清国商人に売ったのです。これがアヘン戦争の発端です。
そして、同じく植民地であったアメリカへ紅茶を輸出する時に高額の税金をかけていました。それに反発した「ボストン茶会事件」から独立戦争が起こります。
そして、もう一つ、大きな問題を作ったのが「ワタ」です。当初ワタはインドから輸入していました。しかし産業革命によって大量に消費されるようになり、生産量を多くしたいとイギリスは考えました。しかし寒冷なヨーロッパでは栽培することができません。そこで目を付けたのがアメリカです。ワタは荒れた土地でも育ちます。しかし、収穫には多くの人手が必要です。そこで、アフリカから多くの奴隷が連れてこられました。
ワタの生産地であり、イギリスから資本投下されている南部と、工業製品などを輸入するときに、イギリスから高い関税を掛けられていることに反対している北部との考え方の違いから南北戦争は起きました。しかし、関税の問題だけでは南部は言うことをききません。そこでリンカンが考え出したのが「奴隷解放」です。これを前面に押し出すことで、イギリスが南部を支援することを難しくさせたというのです。
第1章 コムギ
第2章 イネ
第3章 コショウ
第4章 トウガラシ
第5章 ジャガイモ
第6章 トマト
第7章 ワタ
第8章 チャ
第9章 コーヒー
第10章 サトウキビ
第11章 ダイズ
第12章 タマネギ
第13章 チューリップ
第14章 トウモロコシ
第15章 サクラ
ダイズは英語でソイビーンと言う。ソイとは醤油のことである。つまり、ソイビーンは「醤油を作る豆」という意味なのである。
安政年間に薩摩からヨーロッパへ醤油が輸出されており、薩摩弁で醤油のことをソイと呼ぶのが語源なのだそうです。うわぁ、知らなかった!
今では、どこでも手に入るようになった植物ですけど、かつては毒だと思われていたり(ジャガイモ)、利権争いがあったり、チューリップのように投機対象だったり、いろんな歴史があったのです。
主食となる農作物のナンバーワンは麦・米ではなく、トウモロコシだというのにもビックリです。そんなにトウモロコシ食べてないけどと思っていても、牛や豚などの飼料としてトウモロコシが多く消費されています。そういうことを知るのも、大事なことだなと思いました。
こういう視点で世界を見ると、なるほどねと思うことが増えてきそうです。
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