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私が読んだのは単行本ですが、内容同じ筈です。戦後20年くらいの時の話が多いです。

幸田文 生きかた指南【Kindle】
幸田文氏は、あの幸田露伴の娘です。1904~2013年。その年代の方ですから、戦後20年くらいのエピソードが多いです。

戦争を跨いだ世代だから、どなたも辛い思いをした筈です。ましてや著者は30歳で離婚、子供を抱えて実家に戻っています。

本書は氏の人生相談を中心に収録しております。いろいろな相談に、ズバッと答える切り口は見事です。

単行本版の帯の「きげんとりなんかおよしなさい」という言葉は含蓄があります。

当時19歳の農家の娘さんからの相談に対する言葉です。両親、兄夫婦など8人の大家族の娘さんですが、兄の妻(相談者にとっては義姉)と両親の関係が良くないと。兄夫婦自体は関係が良いが、と。自分は面倒になるので何も言わないが、周囲の機嫌を取っているのが馬鹿馬鹿しくなったとあります。

「きげんとりなんかおよしなさい」

「早くそこから出ろ」

「結婚したらいい」

この時代だから、結婚して家を出ることを勧めたのだと思います。現代だったら、独身であっても就職して家を出ることを勧めているのではないでしょうか。嫁と舅姑問題、巻き込まれるべからず。この方にはこの方の人生があります。

氏の言葉には、氏が人生で体験したことがそのまま反映されています。氏は幸田露伴の娘故に「幸福な家庭でいい」と言われることもあったとあります。しかし数え7歳で母親を失っていて、氏は小学生の時は母親に甘えている子どもを見ると「羨ましくて泣いた」そうです。その人の苦労は、他人には見えないのです。

本書のエッセイでは「幸田露伴色」を避けています。幸田露伴の名前は出さず、お父様が出る箇所でも「父が」と表記しています。「幸田露伴の娘」としてではなく、あくまでも自分の言葉で自分の考えを述べています。

「エッセイスト 幸田文」の人生のヒントがまとめられた1冊です。含蓄有る言葉です。
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  • 掲載日:2026/05/05
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