日経TESTを受けることになり、関連知識の補充として本書の最新版を入手したかったのだが、近くの図書館にあった最新版は「2020-2021」だったのでこちらを借りた。
結局、TESTの日程がタイトだったため本書を読んだのは受験後だったのだが、読み物としてとてもおもしろかった。ちょうど2019年が平成⇒令和の改元だったので、平成元年~令和元年にヒットしたものの振り返りが冒頭カラーであり、ここから心惹かれる。
また、「日本経済」「雇用・労働」「資源・環境」などといった14のトピックに分けられた用語たちは、2025年のいま読んでもなるほど、と思うものばかりだ。特に政治の分野は、フェイクニュースや左右に偏った主義主張ばかりがSNSで目に入る世の中になってしまった。そんな中で、「そもそもこの用語はどんな意味/由来があったのだったっけ?」と立ち止まって調べるのに、本書は向いている。
むろん、完全に公平中立なメディアというのはほぼ無い。本書も日経が出しているため、経済・ビジネスに強みがある反面、スポーツ・芸能の用語は弱いと感じた。それでも、事実に基づいて時事ニュースの用語を淡々と記している記事は、現代ではもはや希少なのではなかろうか。私は、米の減反政策の廃止が2018年から実行されていたが、作付面積は減少傾向にあった(背景には、米の価格低下を懸念する農家の増産渋りがあった)というくだりにはっとした。当時のニュースでは耳にしていたのかもしれないが、2025年のコメ不足、備蓄米の放出等の流れと紐づけて考えると、「政府は数年前からコメを増やす方向でいたが、現場はそうなっていなかった」という様相が見えてくる。
日々のニュースだけを見聞きしていると、「今、何が起きているのか」にばかり目が行きがちだ。しかし、あえて数年前のニュース用語集に目を通すことで、「5年後の現在、日本(世界)はこう変わっている」という風に、過去と現在のつながりを見て取ることができる。
基本的にこうした用語集を手に取る人は最新版を読むと思うのだが、数年前の用語集を確認するのも悪くはないなと感じた。
(書評執筆日:2025年11月9日)
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