efさん
レビュアー:
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内心の動き、意識の流れを紡いでいく実験的な作品なのだろうか?
著名な作品なので一度は読んでおこうと思い、図書館から借りてきました。
物語の中心となるのは、ラムジー夫妻とその子供たちです。
彼らは夏の間、島にある別荘を訪れ、知人を客として招いていました。
第一部の冒頭で、ラムジー夫人は、「明日は灯台へ行きましょう」と子供たちに話しかけるのです。
子供たちは別の島にある灯台へ行くのを楽しみにしているようです。
しかし、ラムジー氏はそんな子供たちの気持などお構いなしに、「だが、晴れにはならんだろう」などと言い、船は出せないから灯台などへはいけないと言い続けるのです。
子供たちにとって、父親であるラムジー氏は、横暴な専制君主のように映っているようです。
第一部は、この別荘で過ごす人々の姿が描かれますが、これといった出来事が起きるわけではないのです。
招かれた客たちの間での淡いロマンスに発展するかどうかといったほんのちょっとした関り。
客たちを招いたディナーの様子などが語られるだけなんです。
結局、第一部では灯台へ行ったのかどうかさえ明らかにならないまま終わります。
第二部は短いパートで、時が流れたことが示されます。
既に別荘には人気が無く、手入れも行き届いていない様子です。
ラムジー夫人は既に亡くなっていました。
また、8人いた子供たちのうち、2人も亡くなったようです。
そんな別荘に、再びラムジー一家の者や、あの夏を過ごした客たちの一部が戻ってくることが語られます。
第三部は、ラムジー夫人を欠いた別荘の様子が描かれますが、中心となるのは、灯台に船で渡る話です。
どういう風の吹き回しか、ラムジー氏が灯台に行くと言い出し、2人の子供に同行を命ずるのです。
子供たちはそんなラムジー氏の横暴な態度に腹を立てており、表立って反抗することはできないのですが、示し合わせて不機嫌な態度を維持しようとします。
ストーリーらしいストーリーの無い作品なんですね。
作中で描かれるのは、上記でご紹介した程度です。
この作品は、登場人物の心の動き、内心で考えている事、思考や意識を書き綴ります。
通常の小説のように、会話がやり取りされたり、筋を盛り上げるような出来事が起きたりなど一切ないのです。
文学的には意義のある作品ということで、だから著名作になっているのでしょう。
そういう意味では実験的な作品ということになるのでしょうか。
こんな作品なので、極端な言い方をしてしまえば、「だからどうした?」という感じもしてしまったり。
少なくとも、読んでいてストーリー的に面白いという作品ではないと思います。
個人的には読み通すにはいささか忍耐が必要だった作品でございました。
読了時間メーター
□□□ 普通(1~2日あれば読める)
物語の中心となるのは、ラムジー夫妻とその子供たちです。
彼らは夏の間、島にある別荘を訪れ、知人を客として招いていました。
第一部の冒頭で、ラムジー夫人は、「明日は灯台へ行きましょう」と子供たちに話しかけるのです。
子供たちは別の島にある灯台へ行くのを楽しみにしているようです。
しかし、ラムジー氏はそんな子供たちの気持などお構いなしに、「だが、晴れにはならんだろう」などと言い、船は出せないから灯台などへはいけないと言い続けるのです。
子供たちにとって、父親であるラムジー氏は、横暴な専制君主のように映っているようです。
第一部は、この別荘で過ごす人々の姿が描かれますが、これといった出来事が起きるわけではないのです。
招かれた客たちの間での淡いロマンスに発展するかどうかといったほんのちょっとした関り。
客たちを招いたディナーの様子などが語られるだけなんです。
結局、第一部では灯台へ行ったのかどうかさえ明らかにならないまま終わります。
第二部は短いパートで、時が流れたことが示されます。
既に別荘には人気が無く、手入れも行き届いていない様子です。
ラムジー夫人は既に亡くなっていました。
また、8人いた子供たちのうち、2人も亡くなったようです。
そんな別荘に、再びラムジー一家の者や、あの夏を過ごした客たちの一部が戻ってくることが語られます。
第三部は、ラムジー夫人を欠いた別荘の様子が描かれますが、中心となるのは、灯台に船で渡る話です。
どういう風の吹き回しか、ラムジー氏が灯台に行くと言い出し、2人の子供に同行を命ずるのです。
子供たちはそんなラムジー氏の横暴な態度に腹を立てており、表立って反抗することはできないのですが、示し合わせて不機嫌な態度を維持しようとします。
ストーリーらしいストーリーの無い作品なんですね。
作中で描かれるのは、上記でご紹介した程度です。
この作品は、登場人物の心の動き、内心で考えている事、思考や意識を書き綴ります。
通常の小説のように、会話がやり取りされたり、筋を盛り上げるような出来事が起きたりなど一切ないのです。
文学的には意義のある作品ということで、だから著名作になっているのでしょう。
そういう意味では実験的な作品ということになるのでしょうか。
こんな作品なので、極端な言い方をしてしまえば、「だからどうした?」という感じもしてしまったり。
少なくとも、読んでいてストーリー的に面白いという作品ではないと思います。
個人的には読み通すにはいささか忍耐が必要だった作品でございました。
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□□□ 普通(1~2日あれば読める)
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幻想文学、SF、ミステリ、アート系などの怪しいモノ大好きです。ご紹介レビューが基本ですが、私のレビューで読んでみようかなと思って頂けたらうれしいです。世界中にはまだ読んでいない沢山の良い本がある!
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- 出版社:岩波書店
- ページ数:413
- ISBN:9784003229118
- 発売日:2004年12月01日
- 価格:945円
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