ソネアキラさん
レビュアー:
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ライプニッツの人生で転機となった7日間
『ライプニッツの輝ける7日間』ミヒャエル・ケンペ著 森内薫訳を読む。
評伝や伝記の類は通常、子どもから大人になるまでの時系列で書かれている。あるいは、最初に、インパクトを与えるために、エポックシーンを取り上げ、回想していくスタイルとか。
タイトルを見て最初は、最期の7日間を書いたものかと思ったら、ライプニッツの人生で転機となった7日間にフォーカスしたスタイル。
「微積分や2進法、モナド論、計算機の発明」など哲学・数学から政治にまで多分野に渡り成果をあげた、まさに、知の巨人。ルネサンス期の天才がダ・ヴィンチならバロック期の天才がライプニッツ。ダ・ヴィンチ同様、手稿(メモ)魔、手紙魔でなんと、その数、生涯で「手稿10万枚、書簡2万通」。その一部が図版で紹介されている。
気になったところを引用。
「ライプニッツは宇宙を一種の計算として理解しており、数学者の使命とは、創造に潜む神の法則をたどり、それを数学的言語(記号、計算、演算)で表現することだと考えていた。創造されたものがどれほど混沌として見えても、注意深く観察すればそこには、数学的構造や秩序と同様のものが認められる」
「ライプニッツが探しているのは、絶望的なまでに分裂した教会がふたたび団結できるような哲学的基礎だ。彼は哲学の合理性を土台に、異なる信念を再統合できると確信していた。そして、信仰と理性をここにおいて一致させたいと考えていた」
「彼は古い哲学と新しい哲学のどちらかを選択するかで悩み、内的に引き裂かれている。アリストテレスか、デカルトか?スコラ的な自然科学か、機械論的な自然科学か?論理と概念化か、あるいは観察と実験か?ライプニッツは新しい教えを選ぶが、古い教えを否定するのではなく、むしろそれら二つを組み合わせたいと考えていた」
弁証法いうところのジンテーゼなのか。アウフヘーベンの方かもね。
2進法と中国の易経との類似性というのが面白かった。
「中国にいるイエズス会宣教師のブーヴェはライプニッツに宛てた最新の手紙で、ライプニッツから知った2進の計算方法と、数千年前の中国における神託の文言集に関連性を見いだしたと書いていた」
「2進法をもとに、コンピュータ技術のデジタルコードが誕生することになる」
「後世の私たちにはそれらが、機械式計算機と2進法から自動電子計算機へ、そして自己学習ロボットに至るまでの長い道のりと里程標だとわかる。ライプニッツは「計算を通じてすべての質問に回答できる普遍的な方法」というプログラム上のアイデアをあらわしただけでなく、回答可能な範囲は有限かもしれないという推測も表明している」
さらに、こんな面も。
「ライプニッツを、のちにチャールズ・ダーウィンらが提唱する種の進化という思想の先駆者として理解することは、限定的にではあるが可能だ。ライプニッツにとって、
種の発展を仲介するのは突然変異でも自然淘汰でもなく、環境条件の変化に応じた生命体の発達をあらかじめ決定する、神による計画だ。彼の考える進化とは、単なる偶然によってではなく、神聖な目的(テロス)によって制御されるものだった」
研究や論考を進めるには、資金を提供してくれるパトロンがいる。王侯・貴族や豪商など。パトロンになってもらうためには、プレゼン能力もいるだろう。最低限の結果を出さないと資金援助は打ち切られる。天才だからなのか、変人なのかはわからないが、理解してくれる友人などはいなかったようだ。
そんな人生が浮き彫りになる。
評伝や伝記の類は通常、子どもから大人になるまでの時系列で書かれている。あるいは、最初に、インパクトを与えるために、エポックシーンを取り上げ、回想していくスタイルとか。
タイトルを見て最初は、最期の7日間を書いたものかと思ったら、ライプニッツの人生で転機となった7日間にフォーカスしたスタイル。
「微積分や2進法、モナド論、計算機の発明」など哲学・数学から政治にまで多分野に渡り成果をあげた、まさに、知の巨人。ルネサンス期の天才がダ・ヴィンチならバロック期の天才がライプニッツ。ダ・ヴィンチ同様、手稿(メモ)魔、手紙魔でなんと、その数、生涯で「手稿10万枚、書簡2万通」。その一部が図版で紹介されている。
気になったところを引用。
「ライプニッツは宇宙を一種の計算として理解しており、数学者の使命とは、創造に潜む神の法則をたどり、それを数学的言語(記号、計算、演算)で表現することだと考えていた。創造されたものがどれほど混沌として見えても、注意深く観察すればそこには、数学的構造や秩序と同様のものが認められる」
「ライプニッツが探しているのは、絶望的なまでに分裂した教会がふたたび団結できるような哲学的基礎だ。彼は哲学の合理性を土台に、異なる信念を再統合できると確信していた。そして、信仰と理性をここにおいて一致させたいと考えていた」
「彼は古い哲学と新しい哲学のどちらかを選択するかで悩み、内的に引き裂かれている。アリストテレスか、デカルトか?スコラ的な自然科学か、機械論的な自然科学か?論理と概念化か、あるいは観察と実験か?ライプニッツは新しい教えを選ぶが、古い教えを否定するのではなく、むしろそれら二つを組み合わせたいと考えていた」
弁証法いうところのジンテーゼなのか。アウフヘーベンの方かもね。
2進法と中国の易経との類似性というのが面白かった。
「中国にいるイエズス会宣教師のブーヴェはライプニッツに宛てた最新の手紙で、ライプニッツから知った2進の計算方法と、数千年前の中国における神託の文言集に関連性を見いだしたと書いていた」
「2進法をもとに、コンピュータ技術のデジタルコードが誕生することになる」
「後世の私たちにはそれらが、機械式計算機と2進法から自動電子計算機へ、そして自己学習ロボットに至るまでの長い道のりと里程標だとわかる。ライプニッツは「計算を通じてすべての質問に回答できる普遍的な方法」というプログラム上のアイデアをあらわしただけでなく、回答可能な範囲は有限かもしれないという推測も表明している」
さらに、こんな面も。
「ライプニッツを、のちにチャールズ・ダーウィンらが提唱する種の進化という思想の先駆者として理解することは、限定的にではあるが可能だ。ライプニッツにとって、
種の発展を仲介するのは突然変異でも自然淘汰でもなく、環境条件の変化に応じた生命体の発達をあらかじめ決定する、神による計画だ。彼の考える進化とは、単なる偶然によってではなく、神聖な目的(テロス)によって制御されるものだった」
研究や論考を進めるには、資金を提供してくれるパトロンがいる。王侯・貴族や豪商など。パトロンになってもらうためには、プレゼン能力もいるだろう。最低限の結果を出さないと資金援助は打ち切られる。天才だからなのか、変人なのかはわからないが、理解してくれる友人などはいなかったようだ。
そんな人生が浮き彫りになる。
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女子柔道選手ではありません。開店休業状態のフリーランスコピーライター。暴飲、暴食、暴読の非暴力主義者。東京ヤクルトスワローズファン。こちらでもささやかに囁いています。
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- ISBN:9784105902056
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