三太郎さん
レビュアー:
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登場人物が27人と1匹! 東京駅構内で繰り広げられる恩田陸のドタバタ喜劇。

「ホンノワ」テーマ:2021年夏文庫フェアに挑戦!(1) カドフェス に参加しようと、この本を手に取りました。
実は僕はこれまで角川文庫はほとんど読んだことがなかったようです。不思議ですが・・・
ところで、恩田さんの本を読むのはこれが4冊目なのですが、これまでとどうも勝手がちがう。解説によると主要な登場人物が27人+1匹だという。単行本の時は一人づつイラスト付きの解説があったらしいですが、文庫本ではイラストはなし。僕は読んでいるうちに誰がだれだか混乱してくる・・・そんな眩暈も楽しめるかも。
長くても4、5ページで、短いと2ページで場面と登場人物が変わり、幾つかの無関係なストーリーが並行して進行していく。
全体のストーリーを(それがあるとして・・・)ざっくり説明すれば、当駅で仲間と待ち合わせた爆弾魔のテロリストが、紙袋に入れてきた時限発火装置+遠隔発火装置付きの手製爆弾を、誰か通行人の持ってきた紙袋と取り違えてしまうことから始まるドタバタ喜劇(スラップスティックコメディ)です。
その紙袋は次からつぎへと別の通行人へ手渡されていきます。
サブストーリーとして幾つかのエピソードがありますが、僕が気に入っているのは生命保険会社の社員が月末締めの新規契約の書類を本社へ届けるために、8000cc(そんなのアリか)のバイクで白バイやパトカーとデッドヒートを繰り広げ、都心の一般道や駅の自由通路を爆走するシーンかな。
それとミュージカルのオーディションを受けにきた少女が、ライバルの少女のいかれたステージママから下剤入りのカルピスを飲まされますが、このカルピスが小説の終盤で意外な役に立ちます。
また来日した映画監督が連れてきたペットですが・・・犬だとばかり思っていたので意表を突かれました。
ところで、最後の場面でテロリストが持ていた遠隔発火装置の送信機を仕組んだジッポーのライターが出てきます。騒動の最中にこのライターは行方不明になるのですが、爆弾魔は都内に複数の爆弾を仕掛けたらしい。爆弾が全部回収される前に誰かがこのライターを見つけて火をつけようとしたら・・・と作者はあおっていますが、ライターに仕込める通信機では近距離(ブルートゥースなら10m)でしか信号は送れないのではないかな。
最後に舞台となった東京駅について。駅が丸の内側と八重洲側に大きく分かれていて、その間を自由通路が連絡している構造をうまく利用していました。東京駅は複雑な様でいて意外に分かりやすい構造ですね。これを新宿駅や渋谷駅でやったらややこしいだろうなあ。
登場人物がお菓子を買い求める東京駅の名店街は僕もよく愛用していました。駅構内にお気に入りのお弁当屋さんがあります。
実は僕はこれまで角川文庫はほとんど読んだことがなかったようです。不思議ですが・・・
ところで、恩田さんの本を読むのはこれが4冊目なのですが、これまでとどうも勝手がちがう。解説によると主要な登場人物が27人+1匹だという。単行本の時は一人づつイラスト付きの解説があったらしいですが、文庫本ではイラストはなし。僕は読んでいるうちに誰がだれだか混乱してくる・・・そんな眩暈も楽しめるかも。
長くても4、5ページで、短いと2ページで場面と登場人物が変わり、幾つかの無関係なストーリーが並行して進行していく。
全体のストーリーを(それがあるとして・・・)ざっくり説明すれば、当駅で仲間と待ち合わせた爆弾魔のテロリストが、紙袋に入れてきた時限発火装置+遠隔発火装置付きの手製爆弾を、誰か通行人の持ってきた紙袋と取り違えてしまうことから始まるドタバタ喜劇(スラップスティックコメディ)です。
その紙袋は次からつぎへと別の通行人へ手渡されていきます。
サブストーリーとして幾つかのエピソードがありますが、僕が気に入っているのは生命保険会社の社員が月末締めの新規契約の書類を本社へ届けるために、8000cc(そんなのアリか)のバイクで白バイやパトカーとデッドヒートを繰り広げ、都心の一般道や駅の自由通路を爆走するシーンかな。
それとミュージカルのオーディションを受けにきた少女が、ライバルの少女のいかれたステージママから下剤入りのカルピスを飲まされますが、このカルピスが小説の終盤で意外な役に立ちます。
また来日した映画監督が連れてきたペットですが・・・犬だとばかり思っていたので意表を突かれました。
ところで、最後の場面でテロリストが持ていた遠隔発火装置の送信機を仕組んだジッポーのライターが出てきます。騒動の最中にこのライターは行方不明になるのですが、爆弾魔は都内に複数の爆弾を仕掛けたらしい。爆弾が全部回収される前に誰かがこのライターを見つけて火をつけようとしたら・・・と作者はあおっていますが、ライターに仕込める通信機では近距離(ブルートゥースなら10m)でしか信号は送れないのではないかな。
最後に舞台となった東京駅について。駅が丸の内側と八重洲側に大きく分かれていて、その間を自由通路が連絡している構造をうまく利用していました。東京駅は複雑な様でいて意外に分かりやすい構造ですね。これを新宿駅や渋谷駅でやったらややこしいだろうなあ。
登場人物がお菓子を買い求める東京駅の名店街は僕もよく愛用していました。駅構内にお気に入りのお弁当屋さんがあります。
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1957年、仙台に生まれ、結婚後10年間世田谷に住み、その後20余年横浜に住み、現在は仙台在住。本を読んで、思ったことあれこれを書いていきます。
長年、化学メーカーの研究者でした。2019年から滋賀県で大学の教員になりましたが、2023年3月に退職し、10月からは故郷の仙台に戻りました。プロフィールの写真は還暦前に米国ピッツバーグの岡の上で撮ったものです。
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- 出版社:角川書店
- ページ数:383
- ISBN:9784043710010
- 発売日:2004年01月01日
- 価格:580円
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