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DBさん
DB
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秘境を旅する冒険の話
ドイルの描く冒険小説です。
語り手であるところの主人公は、23歳の新聞記者マローン。
彼の恋物語から話は始まります。
想い人のグラディスと友人として会話を楽しむ夜だったが、その日の彼は大きな決意を秘めていた。
だが彼の決心を察したグラディスは、彼のプロポーズをされる前に断ってしまった。
なんでもグラディスは世界中の英雄になれるような男が好みだそうです。
それをそのまま受け取ったマローン君は、初恋に酔った心の赴くままに冒険へと飛び出していく。

どこかに冒険につながりそうな話は転がっていないかと所属している新聞社デイリー・ギャゼットの室長に打診し、チャレンジャー教授という個性的な学者の話を聞かされます。
チャレンジャー教授は数年前に南アメリカで重大な発見をしたという話だったが、誰にも信じてもらえず引きこもってしまっているという。
しかも新聞記者をはじめとするスキャンダルを探りに訪れた人間を文字通り家からたたき出すので有名だった。
そこにどうにか潜り込み、多少の殴り合いを経てどうにかチャレンジャー教授に気に入られることに成功します。

そこから主人公の望んでいた通り南アメリカへの冒険の旅が始まる。
几帳面な学者タイプのサマリー教授と、冒険家のジョン・ロクストン卿、それに破天荒なチャレンジャー教授が旅の仲間だった。
旅が始まってからは、マローンがギャゼット紙に送る原稿という形でストーリーが語られていきます。
これが最後のサプライズの下地にもなっている。

道中の最大の懸念は猛獣でも病気でも原住民の襲撃でもなく、同行の教授二人の争いがどこまでエスカレートするかというところだといえば二人の関係もわかるだろう。
苦難の道のりをこえ、チャレンジャー教授が不思議な動物を発見した台地にたどり着きます。
玄武岩の切り立った崖は三百メートルくらいあり、その上の大地は地上の世界とは切り離された状態になっている。
その台地に上り目にしたものは、なんと遥か太古に失われたはずの恐竜や翼竜の住む世界だった。

チャレンジャー教授の言葉が正しかったことが証明されて和解したかのように見えるサマリー教授とチャレンジャー教授でしたが、その台地で目にする不思議な動植物の分類で再び舌戦が飛び交います。
台地の上で生活していた猿人とインディアンの抗争に巻き込まれながらも生還し、ロンドンで驚きの発表をするのも面白い。
主人公の初恋にもきっちりと落ちがつけられていて楽しめました。
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DB
DB さん本が好き!1級(書評数:2026 件)

好きなジャンルは歴史、幻想、SF、科学です。あまり読まないのは恋愛物と流行り物。興味がないのはハウツー本と経済書。読んだ本を自分の好みというフィルターにかけて紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。

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この書評へのコメント

  1. Jun Shino2019-12-11 21:26

    ドイルものでも、これは読んでないんですよねー。いつかと思ったきり・・ちなみにチャレンジャー教授は「シャーロック・ホームズの宇宙戦争」というパロディにも登場してます。

  2. DB2019-12-11 23:24

    すごく面白かったので、機会があったらぜひ読んでみてください。
    ホームズの宇宙戦争もちょっと興味あります(*^^*)

  3. oldman2019-12-12 02:46

    チャレンジャー教授はドイルの他の作品「毒ガス帯」や「霧の国」にも出てきます。ドイルの作品の中ではホームズに次ぐ人気キャラです。 ちなみに「毒ガス帯」は面白いですよ。オチはなぁーんだですけどね(^-^)

  4. 三太郎2019-12-12 11:52

    「毒ガス帯」ですが、1910年にハレー彗星が接近した際、彗星の尾には毒ガスが含まれていて地球が毒ガスの尾に入ったら大変!ということで世間で大騒ぎになったらしい。この騒動を元に書かれた小説らしいです。

  5. oldman2019-12-12 12:08

    三太郎さん
    そのとおりです。まぁその手の話はいまだに有って、国立天文台にはこの質問が未だに来るそうです。
    (*´・∀・)つ質問10-6)「フォトンベルト」や「反地球(対地球)」ってあるんですか?
          答え  ありません!
     

  6. DB2019-12-12 22:16

    ドイルはホームズしか読んだことがなかったので、チャレンジャー教授も開拓してみたいと思います!

  7. No Image

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