morimoriさん
レビュアー:
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自転車旅行の最中に雨に降られ、やっとの思いで見つけた一軒の建物。そこには事情を抱えた女性たちが住んでいた。
職を失い自転車旅行をしている最中に雨に降られ、廃墟のような街で途方に暮れていた栗田拓海。彼はやっとの思いで灯のついた一軒の建物を見つけた。ペンションと思いきや、すでにペンションを廃業し、今では事情を抱えた女性たちとペンションのオーナーだった高齢の男性が住んでいたのだった。快く受け入れてもらえた訳ではなかったが、家の細々とした用事や屋根の修繕を引き受けることになり数日間宿泊することになった。
屋根の修繕を終え、オーナーの虹さんから女性たちの話を聞いたところで拓海は、屋根から落っこちてしまった。足を骨折し、しばらく宿泊することになったのだが、次第に女性たちからの信頼を得、女性たちの事情を知るようになっていった。人を殺してしまったと思ってペンションにやって来た塔子。大腿骨を骨折して以来、車椅子生活を強いられた高齢のかおる。日本に父親を探しにやって来たフィリピン人のマリー・ジョイそして、亡き妹とペンションを経営していた中林虹之助。血のつながりのない人たちとの生活は、理想的なシェアハウスの様に思えたのだが・・・。
中島京子氏の小説なのに、図書館ではそれほどの予約がなく、貸し出し回数も多くはないのであまり期待することなく読み始めた。しかし、最初から中島京子ワールドにのめり込んでしまった。非正規雇用で長期間仕事をしていた栗田拓海は、突然来なくていいと言われ職を失った。そこで、自転車で旅行することを実行したのだった。職を失い、住居も引き払っての現在、たどりついた元ペンションで過ごす毎日が、充実していた。その中で、女性たちや虹之助の事情が次第に明らかになっていく。
楽しい日々は、そう長くは続かない。人生はなかなか思うようにもならない。それでも、人は前を向いて歩いていく。シェアハウスの日々を読んでいくうちに、自分もそんな毎日を過ごすことができたら楽しいだろうなとは思ったが、いつか終わりはやってくる。それでも、また次のステップを過ごすことになっていくのだろうと明るい希望を持てるような予感をしつつ、読み終えた。
屋根の修繕を終え、オーナーの虹さんから女性たちの話を聞いたところで拓海は、屋根から落っこちてしまった。足を骨折し、しばらく宿泊することになったのだが、次第に女性たちからの信頼を得、女性たちの事情を知るようになっていった。人を殺してしまったと思ってペンションにやって来た塔子。大腿骨を骨折して以来、車椅子生活を強いられた高齢のかおる。日本に父親を探しにやって来たフィリピン人のマリー・ジョイそして、亡き妹とペンションを経営していた中林虹之助。血のつながりのない人たちとの生活は、理想的なシェアハウスの様に思えたのだが・・・。
中島京子氏の小説なのに、図書館ではそれほどの予約がなく、貸し出し回数も多くはないのであまり期待することなく読み始めた。しかし、最初から中島京子ワールドにのめり込んでしまった。非正規雇用で長期間仕事をしていた栗田拓海は、突然来なくていいと言われ職を失った。そこで、自転車で旅行することを実行したのだった。職を失い、住居も引き払っての現在、たどりついた元ペンションで過ごす毎日が、充実していた。その中で、女性たちや虹之助の事情が次第に明らかになっていく。
楽しい日々は、そう長くは続かない。人生はなかなか思うようにもならない。それでも、人は前を向いて歩いていく。シェアハウスの日々を読んでいくうちに、自分もそんな毎日を過ごすことができたら楽しいだろうなとは思ったが、いつか終わりはやってくる。それでも、また次のステップを過ごすことになっていくのだろうと明るい希望を持てるような予感をしつつ、読み終えた。
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多くの人のレビューを拝見して、読書の幅が広がっていくのが楽しみです。感動した本、おもしろかった本をレビューを通して伝えることができればと思っています。
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- 出版社:KADOKAWA
- ページ数:328
- ISBN:9784041110782
- 発売日:2021年03月02日
- 価格:1870円
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