DBさん
レビュアー:
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イルカが持つ文化の話
タイトルと表紙の雲の上までジャンプするようなイルカのイラストが目に留まって手に取りました。
イルカが波間を泳ぐシーン、そして少年や少女が海でイルカと出会うシーンが過去の思い出のように語られて始まります。
フリーライターやイルカの研究者、マグロ漁船の船長や油田掘削の技師、それにイルカたちを主人公にした群像劇の形で進んでいきます。
フリーライターのダニエルはイルカの記事をまとめようとイルカの保護を訴える団体のスタッフであるミッチと会見する。
ミッチはマグロ漁でイルカの下をよく泳いでいるマグロをとるためにイルカともども網に囲い込み、マグロは商品にして死んだイルカは海に捨てられていくのをやめさせようと活動していた。
そしてその事実をより広く印象的に世界へ訴えようとマグロ漁の漁船に乗り込むパートナーを探していたのだ。
文字通り乗りかかった船とばかりにミッチとマグロ漁船に乗り込んだダニエルは、そこで虐殺されるイルカをビデオに撮っていたが、船員に見つかってしまいミッチは海へ落ちてダニエルは近くの港で船から放り出されてしまった。
次に登場するのはカルフォルニア大学サンタバーバラ校でイルカの研究をしているシーラだ。
彼女はイルカが使うエコロケーションで物の位置を測るだけでなく、イメージを送りあって人間の使う言葉の代わりにしているのではないかという仮説を立てていた。
研究に使っている三頭のイルカたちとの仲は良好だが、大学からは研究資金の打ち切りを宣言されたりと苦労もあり。
ダニエルが乗り込んでいたマグロ漁船の船長バテーラは、ダニエルが残していったビデオカメラの映像を見てイルカを殺さない漁に切り替える。
イルカ代表としてク*トリルメスのイルカを追っていくが、彼女が属する群れである「サークル」や仲間たちとの交流がほのぼのとしている。
ラッコをからかって遊んでいたら、ラッコから強烈な尻尾の反撃を食らってしまった話は微笑ましい。
イルカが言語を持ち、海のどこかにある「知の源」という存在から鯨を通して長い歴史の記憶を保っていること、その「知の源」からイルカを通して人類にも叡智が授けられていったという壮大な歴史が語られます。
イルカに対して「危険ないとこ」であるシャチが戦争を仕掛けてきたり、石油を掘ろうとして実はマグマに穴をあけ大爆発を引き起こす寸前である様子など危険もいっぱいだ。
なにより網にかかって死んでいく仲間への哀悼や、海洋汚染で苦しむ姿が今でも海のどこかで同じシーンが繰り広げられているのがわかるだけに辛い。
ファンタジーの部分も含めて楽しめる部分もあり、考えさせる部分もありました。
イルカが波間を泳ぐシーン、そして少年や少女が海でイルカと出会うシーンが過去の思い出のように語られて始まります。
フリーライターやイルカの研究者、マグロ漁船の船長や油田掘削の技師、それにイルカたちを主人公にした群像劇の形で進んでいきます。
フリーライターのダニエルはイルカの記事をまとめようとイルカの保護を訴える団体のスタッフであるミッチと会見する。
ミッチはマグロ漁でイルカの下をよく泳いでいるマグロをとるためにイルカともども網に囲い込み、マグロは商品にして死んだイルカは海に捨てられていくのをやめさせようと活動していた。
そしてその事実をより広く印象的に世界へ訴えようとマグロ漁の漁船に乗り込むパートナーを探していたのだ。
文字通り乗りかかった船とばかりにミッチとマグロ漁船に乗り込んだダニエルは、そこで虐殺されるイルカをビデオに撮っていたが、船員に見つかってしまいミッチは海へ落ちてダニエルは近くの港で船から放り出されてしまった。
次に登場するのはカルフォルニア大学サンタバーバラ校でイルカの研究をしているシーラだ。
彼女はイルカが使うエコロケーションで物の位置を測るだけでなく、イメージを送りあって人間の使う言葉の代わりにしているのではないかという仮説を立てていた。
研究に使っている三頭のイルカたちとの仲は良好だが、大学からは研究資金の打ち切りを宣言されたりと苦労もあり。
ダニエルが乗り込んでいたマグロ漁船の船長バテーラは、ダニエルが残していったビデオカメラの映像を見てイルカを殺さない漁に切り替える。
イルカ代表としてク*トリルメスのイルカを追っていくが、彼女が属する群れである「サークル」や仲間たちとの交流がほのぼのとしている。
ラッコをからかって遊んでいたら、ラッコから強烈な尻尾の反撃を食らってしまった話は微笑ましい。
イルカが言語を持ち、海のどこかにある「知の源」という存在から鯨を通して長い歴史の記憶を保っていること、その「知の源」からイルカを通して人類にも叡智が授けられていったという壮大な歴史が語られます。
イルカに対して「危険ないとこ」であるシャチが戦争を仕掛けてきたり、石油を掘ろうとして実はマグマに穴をあけ大爆発を引き起こす寸前である様子など危険もいっぱいだ。
なにより網にかかって死んでいく仲間への哀悼や、海洋汚染で苦しむ姿が今でも海のどこかで同じシーンが繰り広げられているのがわかるだけに辛い。
ファンタジーの部分も含めて楽しめる部分もあり、考えさせる部分もありました。
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好きなジャンルは歴史、幻想、SF、科学です。あまり読まないのは恋愛物と流行り物。興味がないのはハウツー本と経済書。読んだ本を自分の好みというフィルターにかけて紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。
この書評へのコメント
- keena071511292021-08-24 20:37
書評を読む前に著者名で「あっ『リプレイ』の人だ」と思いました
書評の中味を読んで『リプレイ』に出てきた
『スター・シー』の謎が解けました
「何でルーカスとスピルバーグでイルカ?」と不思議でしたが
「要はこの人、イルカが好きなんだなー」とクリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 - keena071511292021-08-25 06:06
『リプレイ』は現在の記憶を持ったまま
昔の自分に戻る作品ですが
主人公が自分以外の“リプレイヤー”の存在を知るきっかけが
『スター・シー』です
監督がスピルバーグ 製作総指揮がルーカス
宇宙とイルカが出てくる壮大な謎映画ですクリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 
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- 出版社:角川書店
- ページ数:485
- ISBN:9784042755012
- 発売日:1997年08月01日
- 価格:924円
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