BLOOD ARM

珍しい「怪獣小説」。 ウルトラQの世界が展開してる。 夏休みの「ウルトラ祭り」の映画みたいだ。
91 大倉崇裕 「BLOOD ARM」 珍しい「怪獣小説」。 ウルトラQの世界が展開してる。…

本が好き! 1級
書評数:667 件
得票数:11739 票
語りかける書評ブログ「人生は短く、読むべき本は多い」からの転記になります。
殆どが小説で、児童書、マンガ、新書が少々です。
評点やジャンルはつけないこととします。
ブログは「今はなかなか会う機会がとれない、本読みの友人たちへ語る」調子を心がけています。
従い、私の記憶や思い出が入り込み、エッセイ調にもなっています。
主要六紙の書評や好きな作家へのインタビュー、注目している文学賞の受賞や出版各社PR誌の書きっぷりなどから、自分なりの法則を作って、新しい作家を積極的に選んでいます(好きな作家へのインタビュー、から広げる手法は確度がとても高く、お勧めします)。
また、著作で前向きに感じられるところを、取り上げていくように心がけています。
「推し」の度合いは、幾つか本文を読んで頂ければわかるように、仕組んでいる積りです。
PS 1965年生まれ。働いています。

珍しい「怪獣小説」。 ウルトラQの世界が展開してる。 夏休みの「ウルトラ祭り」の映画みたいだ。
91 大倉崇裕 「BLOOD ARM」 珍しい「怪獣小説」。 ウルトラQの世界が展開してる。…

おそらく長い時間をかけて書かれた、吉本ばななの「理(ことわり)の書」だと思う。 挿絵もちりばめられたスカスカの125ページに、大きな宇宙が広がっているし、宝にできる文章が見つかるはずだ。
92 吉本ばなな 「おとなになるってどんなこと?」 子どもへのエッセイの体裁をとっているが、自…

戦中から戦後の身の周りの事を書いた表題エッセイ「考えられないこと」が、じわりじわりと迫ってくる。
93 河野多恵子 「考えられないこと」 今年(2015年)1月に他界された河野多恵子が、昨年8…

食にまつわる随筆。 月並みな言い方しか捻り出せないのだが、なんとも百閒先生の「味がある」ので、時折思い出しては会いたくなる。
94 内田百閒 「御馳走帖」 漱石の弟子内田百閒の、食にまつわる随筆。 月並みな言い方しか捻…

友人の事故死の原因を探るお話し。 ストーリーもからくりも良いアイディアなのだが、グッと残る感じには至らなかった。
95 湊かなえ 「リバース」 友人の事故死の原因を探るお話し。 湊かなえは相当売れてるようで…

あの10~13歳くらいの頃には、そりゃあ残酷な事が頭に浮かんで「自分は狂っているのか」って震えた事があった。 「蠅の王」はきっと今も忘れられたふりをしているだけで、心の引出しの奥に居て笑っているはずだ。
飛行機が墜落し、南の島で生き残った十数人の少年たちのお話し。 少年たちの中に「蠅の王」が忍び込み、…

宮古島の綾乃のお話。 近所のお婆オージャーガンガーと綾乃の友情は眩しく、沖縄のどこまでも突き抜ける青い空、豊かな表情の雲、波や三線の音に包まれながら、 「こういう世界を忘れないで」と言われた気がする。
97 池上永一 「バガージマヌパナス」 宮古島の綾乃の、5歳から19歳までのお話。 近所のお…

誘拐監禁されたアレックスが、なんとか脱出するスリラー。 と思いきや、脱出後にもうひとつのもっと怖いお話しが転がり始めていく。
98 ピエール ルメートル 「その女アレックス」 誘拐監禁されたアレックスが、なんとか脱出する…

池波正太郎のシェイプアップした文章を十分楽しめたし、ちょっと趣向が違う短編もあり、 最後の「剣客山田又蔵従軍」は、司馬遼太郎が書いたと言っても誰も疑わないだろう。
99 池波正太郎 「卜伝最後の旅」 戦国時代鹿島の兵法家、塚原卜伝の晩年を書いた表題作他の短編…

高校部活小説の形を借りて、若き「成長」と「未来・無限の可能性」を鮮やかに描いている。 前作の「2.43 清陰高校男子バレー部」に比べて、明らかに視野・世界が広がっている。
100 壁井ユカコ 「2.43 清陰高校男子バレー部 second season」 高校部活小…

27歳の茉子(まこ)が、親類のお菓子会社へ転職してからの出来事を描いた、連作短編集。 私は今一つのめりこめずに、読み終えてしまった。
27歳の茉子(まこ)が、親類のお菓子会社へ転職してからの出来事を描いた、連作短編集。 私は今一つの…

父親が亡くなったあとの喫茶店を継いで、朝・昼・晩と違うものを出すお店をやっていくことになる、三人姉妹をめぐるお話。
101 原田ひ香 「三人屋」 父親が亡くなったあとの喫茶店を継いで、朝・昼・晩と違うものを出す…

明治から現在まで、東北から北海道へ移住した家系5代に渡るドラマ。 一家と一緒に移り血統を継いでいった馬が、主人公と言って良いほど物語の軸になっているところは見事だ。
102 河崎秋子 「颶風の王」 明治から現在まで、東北から北海道へ移住した家系5代に渡るドラマ…

母と妹とニューヨークのパールストリートに越してきた、6歳のジャン・リュック少年のお話。 トレヴェニアンの遺作であり、初めての自伝的小説。
103 トレヴェニアン 「パールストリートのクレイジー女たち」(訳:江國香織) 母と妹とニュー…

戦争の火ぶたが落ちた後の青森。 若き妻を見舞う小説の形を取りながら、紛いなく忍び寄る「死」との対峙と、言わば戦中の「先が見えない重々しさ」を表現している。
104 高橋弘希 「朝顔の日」 戦時中に結核になった若き妻を見舞う男のお話し。 や、そんな言…

小さな牧場の息子ジョーディの日々と成長を、カリフォルニア州サリナスの自然とともに書いている、連作集。 《段々とブログ初期の投稿になり「まだ長く書けていない」ようになっていきます・・・お許しを》
105 ジョン・スタインベック 「赤い小馬」 小さな牧場の息子ジョーディの日々と成長を、カリフ…

タモリに関する記述や分析も良くできているが、主人公はあくまで「戦後」だという事を理解できれば、面白い読書になるだろう。
106 近藤正高 「タモリと戦後ニッポン」 終戦の一週間後に生まれたタモリに重ね合わせて、戦後…

浅草の下積芸人の世界は、ハチャメチャというか凄まじいのだが、たけしにかかると悲惨さが薄れて面白おかしくなり そして「這い上がるんだ」という強い気概が行間から滲み出る、青春小説になっている。
107 ビートたけし 「漫才病棟」 ビートたけしが自分の前座時代をモデルにした私小説。 浅草…

SFの形をとっているが、上等な落語に見えた(「バカSF」と言うそうだ)。 俺はお笑いやナンセンスにはちょっとウルサイぞ!、という人には覗いてもらいたい世界だ。
108 深堀骨 「アマチャ・ズルチャ 柴刈天神前風土記」 芝刈天神前を舞台に、奇想天外な話の短…

表具師の奉公人、利発な栄治と愚直なさぶの、十五歳から十年ほどの話。 読んだ若い頃は「いい友情・人情話」と受け取ったのだが、 歳をとって読み返してみたら、今の自分の器を試されている気がした。
109 山本周五郎 「さぶ」 表具師の奉公人、利発な栄治と愚直なさぶの、十五歳から十年ほどの話…