ここで唐揚げ弁当を食べないでください

悲しいことばかりでもあるし、うれしいことばかりでもある、一生。
673 小原晩 「ここで唐揚げ弁当を食べないでください」 一見では、美しくなさそうな、辛そうで…

本が好き! 1級
書評数:667 件
得票数:11741 票
語りかける書評ブログ「人生は短く、読むべき本は多い」からの転記になります。
殆どが小説で、児童書、マンガ、新書が少々です。
評点やジャンルはつけないこととします。
ブログは「今はなかなか会う機会がとれない、本読みの友人たちへ語る」調子を心がけています。
従い、私の記憶や思い出が入り込み、エッセイ調にもなっています。
主要六紙の書評や好きな作家へのインタビュー、注目している文学賞の受賞や出版各社PR誌の書きっぷりなどから、自分なりの法則を作って、新しい作家を積極的に選んでいます(好きな作家へのインタビュー、から広げる手法は確度がとても高く、お勧めします)。
また、著作で前向きに感じられるところを、取り上げていくように心がけています。
「推し」の度合いは、幾つか本文を読んで頂ければわかるように、仕組んでいる積りです。
PS 1965年生まれ。働いています。

悲しいことばかりでもあるし、うれしいことばかりでもある、一生。
673 小原晩 「ここで唐揚げ弁当を食べないでください」 一見では、美しくなさそうな、辛そうで…

そう、このお話は「海人の成長の話」であって、 内乱などの設定も、スリリングな群像劇ですら、 「海人の成長のための舞台であり、小道具と脇役たち」に見えてくる。
671 打海文三 「裸者と裸者」(上下) 「応化クロニクル三部作」の第一部。 2004年に書…

読みながら、自分の口が少しずつ開いてきているのが分かった。 「ぽかん」と、し始めていたのだ。
666 小山田浩子 「ものごころ」 読みながら、自分の口が少しずつ開いてきているのが分かった。…

楽しみながらやる、という事は、凄いパワーを生むんだね。
664 鈴木俊貴 「僕には鳥の言葉がわかる」 大好きなシジュウカラの観察を通じて、彼らが「単語…

皆が頼るから、玲は「シスター・レイ」と裏で呼ばれている。
663 長浦京 「シスター・レイ」 東京下町を舞台にした、長浦京らしい疾走感にあふれたアクショ…

負けるな、お梅!! がんばれ、お梅!!
662 藤崎翔 「お梅は呪いたい」 巧妙に構築され、不動の主人公を作り上げたホラーコメディ。 …

私たちが普段感じている恐怖や不安感は、本物じゃない。まぼろしだ。
661 松永K三蔵 「バリ山行」 私たちが普段感じている恐怖や不安感は、本物じゃない。まぼろし…

高校生が戦う、新手のゲームを題材にしたミステリー。 長らくミステリーを読んでおらず、謎と謎を囲む情勢が良く練られているのに感心した。
654 青崎有吾 「地雷グリコ」 高校生が戦う、新手のゲームを題材にしたミステリー。 長らく…

伊坂幸太郎デビュー25周年記念の、企画もの。 いつもの「ちょっと理屈っぽくて、言いたい事を言い過ぎ」なところは大目にみて、 井出静佳の大らかな挿画とともに、物語を楽しめた。
652 伊坂幸太郎 「楽園の楽園」 伊坂幸太郎デビュー25周年記念の、企画もの。 いつもの「…

「書かないこと」で、それを読者に想像させ、 「書けないこと」を、言葉にしようとしている。
650 ヨン・フォッセ 「朝と夕」 「書かないこと」で、それを読者に想像させ、 「書けないこ…

鮮烈なるデビュー作「GO」の路線を試みているが、ハードボイルド(もどき)になってしまっている。 善玉も悪役も「動機」が弱いんだ。
649 金城一紀 「友が、消えた」 鮮烈なるデビュー作「GO」の路線を試みているが、ハードボイ…

小野寺史宜はたいへんさりげないのだが、 豆腐店が作った豆腐のように、しっかりした「味」を残している。
648 小野寺史宜 「日比野豆腐店」 堀切菖蒲園で三代続いている「日比野豆腐店」を舞台にしたド…

名作「図書館の魔女」の第三弾。 いわば「エピソード0」なのだが、十分にあの世界観を楽しめた。
646 高田大介 「図書館の魔女 高い塔の童心」 名作「図書館の魔女」の第三弾。 いわば「エ…

「デビュー作にはその作家の全てが詰まっている」などと言われるが、 その通りの切れ味だった。 いや、刀ではなく棍棒でガツンだった。
今村夏子のデビュー作「こちらあみ子」と、2つの短編。 「デビュー作にはその作家の全てが詰まっている…

羊飼いのサンチャゴの冒険譚の姿を借りて、数々の気づきをちりばめている。 「明日がある(見える)」という、私が小説に求めるど真ん中も、輝いていた。
644 パウロ・コエーリョ 「アルケミスト - 夢を旅した少年」 羊飼いのサンチャゴの冒険譚の…

「意識」と、その「共有」に関わるお話。
642 朝比奈秋 「サンショウウオの四十九日」 「意識」と、その「共有」に関わるお話。 …

原題は「MONK AND ROBOT」。 喫茶僧とロボットが、旅をするSF中編が2つ。 エピソードを使って「考え方」や「捉え方・感じ方」の例示をソフトに行い、 その答え(も「答え無し」も)は、読者に委ねている。
640 ベッキー・チャンバース 「ロボットとわたしの不思議な旅」 原題は「MONK AND R…

ポップな題名とはうらはらな、重厚な冒険小説。 ど真ん中で硬派極まりなく、読後の爽快感もひとしおだった。 軽めの題名は、登場人物の温かさや、繰り出してくる台湾料理に現れていた。
637 張國立 「炒飯狙撃手」 2024/12/22 11:45 ポップな題名とはうらはらな、重…

第一次世界大戦の独仏戦に駆り出された、 セネガル人兵士の独白の形をとっている。 これは「長い悪夢」だ。 いや、「長い長い呪文」かもしれない。
636 ダヴィド・ディオップ 「夜、すべての血は黒い」 第一次世界大戦の独仏戦に駆り出された、…

母は本当にあったことを書いた。 わが家の逸話や思い出話は改変され、脚色され、編集され、 しまいにはどれが本当のできごとだったかわからなくなった。 それでいい、とルシアは言った。 物語こそがすべてなのだから。
ルシア・ベルリンの作品集第三弾。 原題は「Evening in Paradise」。 三冊続…