efさん
レビュアー:
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なんと胸クソの悪い作品なんだ! ……としっかり作者の術中にハマってしまったのですが……
ディエゴ・アルサは作家です。そのデビュー作『血と琥珀』は世界的な大ヒット作となり非常に裕福になりました。
この『血と琥珀』という作品は、『怪物』と呼ばれる元外科医が文字通りモンスターでして、少女をさらっては、その父親に宛てて黒封筒に入った手紙を送りつけ、その手紙で父親に残酷な課題(例えば、自分の舌を噛み切れなど)を与えることを繰り返すのです。
それを衆人環視の劇場で実行させ、課題をクリアできれば次の課題へと進ませます(課題は全部で三つあり、徐々に困難な課題になります)。三つともクリアできれば誘拐された娘は無傷で解放されるものの、失敗すれば娘はその失敗した課題と同じ事をされて殺されるというとんでもなく残酷なことをするのです。中にはどうしても課題をクリアできない父親もおり、逃げ出して世間から囂々たる避難を受けたり(無責任に父親を責める野次馬たちの何と醜悪なことか!)、母親と共に自殺してしまう者が出たり……。
この『怪物』を追う警察との対決を描いたミステリ作品なのですね。
『血と琥珀』は大ヒットしたため、担当編集者は続編を書けとせっつくのですが、ディエゴは頑なにこれを拒み、自分ではより文学性が高いと思う別の作品を書くのですがこれがコケるのです。こんなはずはないと、ディエゴはまた違う作品を書きますがもう出版社も熱を入れなくなり、三作目はほとんど売れず酷評の嵐という状態でした(世間は続編を読みたいのであり、それに応えない作者の作品をけなすのも残酷なものです)。
それでも『血と琥珀』のメガヒットで経済的には豊かになってはいるのですが。
このままでは……ということで、ディエゴは遂に『血と琥珀』の続編を書くことをほのめかし、今ではすっかり冷淡になってしまっている担当編集者の気を引こうとしたのです。
自分ではあの続編など書きたくないと思っているのですが……。
そうしたところ、ディエゴと妻が不在中に家に何者かが侵入し、ディエゴの娘をさらって行ったのです。また、ディエゴが保管していた『血と琥珀』の元原稿がビリビリに破かれ、まるで血のような赤インクをぶちまけられていたのです。
ディエゴと妻は直ちに知己のジェラール・ルカモア警部に通報し、警察が急行しました。
室内を捜索したところ、黒封筒が発見され、その中には『血と琥珀』そのままに、ディエゴに対して課題が与えられていたのです。
『怪物』の模倣犯が『血と琥珀』を再現している!
ディエゴに最初に与えられた課題は、大型犬の糞を喰えというものでした。
『血と琥珀』のように劇場でやらせるというのは現代にはそぐわないとして、糞を喰う様子をインターネットで全世界に向けて中継しろという変更は加えられていましたが。
私、ここまで読んでうげげとなってしまったのです。
なんだこの醜悪な話は!
犬の糞を喰わせるのか?! そんなの読んでいられるか!
と、非常に不快になり、途中下車してしまいそうになったのです。
まあ、まんまと作者の術中にハマってしまったわけですが。
でも……。この本、わざわざ他館から取り寄せしてもらった本なんですよね。
図書館には次のリクエスト本は届いていないし……。
もう少しだけ読みますか……。
と我慢して読み続けたのです。
ディエゴは犬の糞を喰いましたよ。娘を助けるためならなんだってやる!
その後、吐き続けたのですが、とにかく第一の課題はクリアしました。
警察は必死の捜査を続けているのですが、なかなか『怪物』にはつながりません(何人かの容疑者は浮上するのですけれど)。
そうこうしている間に第二の課題が届きます。
今度は指定した中世の拷問具を装着して7時間耐えろというものでした。
警察が医師に確認したところ、とんでもなく苦痛だろう、後遺症は避けられるかもしれないが、身体に深刻な損傷を与えるのは間違いないというのです。
加えてディエゴにはボタンを持たせろと言います。このボタンを押せば拷問具を外すことを許すが、その瞬間、娘に拷問具を装着した上、7時間放置して殺すというのです。
そんなことをディエゴにやらせない! と、ルカモア警部は言うのですが……。
ディエゴはこの課題に耐えられるのか?
ボタンを押してしまうことはないのか?(ボタンは落とさないようにテープで手に留めることが要求されています)
と、まあ、こういう作品なんです。
非常に残酷だし、『怪物』は卑劣極まりない。
なんという作品をリクエストしてしまったのか……。
とんでもなく胸クソ悪い作品だぞ、これは。
ここまで読んだからには、何としてでも娘さんを無事に助けて欲しい。
『怪物』を捕まえて報いを受けさせなければ気が済まないぞ!
と、完全に作者の術中にはめられております。
くっそ~! ここまで読んだら下巻も読むぞ~!
読了時間メーター
□□□ 普通(1~2日あれば読める)/381ページ:2026/03/24
この『血と琥珀』という作品は、『怪物』と呼ばれる元外科医が文字通りモンスターでして、少女をさらっては、その父親に宛てて黒封筒に入った手紙を送りつけ、その手紙で父親に残酷な課題(例えば、自分の舌を噛み切れなど)を与えることを繰り返すのです。
それを衆人環視の劇場で実行させ、課題をクリアできれば次の課題へと進ませます(課題は全部で三つあり、徐々に困難な課題になります)。三つともクリアできれば誘拐された娘は無傷で解放されるものの、失敗すれば娘はその失敗した課題と同じ事をされて殺されるというとんでもなく残酷なことをするのです。中にはどうしても課題をクリアできない父親もおり、逃げ出して世間から囂々たる避難を受けたり(無責任に父親を責める野次馬たちの何と醜悪なことか!)、母親と共に自殺してしまう者が出たり……。
この『怪物』を追う警察との対決を描いたミステリ作品なのですね。
『血と琥珀』は大ヒットしたため、担当編集者は続編を書けとせっつくのですが、ディエゴは頑なにこれを拒み、自分ではより文学性が高いと思う別の作品を書くのですがこれがコケるのです。こんなはずはないと、ディエゴはまた違う作品を書きますがもう出版社も熱を入れなくなり、三作目はほとんど売れず酷評の嵐という状態でした(世間は続編を読みたいのであり、それに応えない作者の作品をけなすのも残酷なものです)。
それでも『血と琥珀』のメガヒットで経済的には豊かになってはいるのですが。
このままでは……ということで、ディエゴは遂に『血と琥珀』の続編を書くことをほのめかし、今ではすっかり冷淡になってしまっている担当編集者の気を引こうとしたのです。
自分ではあの続編など書きたくないと思っているのですが……。
そうしたところ、ディエゴと妻が不在中に家に何者かが侵入し、ディエゴの娘をさらって行ったのです。また、ディエゴが保管していた『血と琥珀』の元原稿がビリビリに破かれ、まるで血のような赤インクをぶちまけられていたのです。
ディエゴと妻は直ちに知己のジェラール・ルカモア警部に通報し、警察が急行しました。
室内を捜索したところ、黒封筒が発見され、その中には『血と琥珀』そのままに、ディエゴに対して課題が与えられていたのです。
『怪物』の模倣犯が『血と琥珀』を再現している!
ディエゴに最初に与えられた課題は、大型犬の糞を喰えというものでした。
『血と琥珀』のように劇場でやらせるというのは現代にはそぐわないとして、糞を喰う様子をインターネットで全世界に向けて中継しろという変更は加えられていましたが。
私、ここまで読んでうげげとなってしまったのです。
なんだこの醜悪な話は!
犬の糞を喰わせるのか?! そんなの読んでいられるか!
と、非常に不快になり、途中下車してしまいそうになったのです。
まあ、まんまと作者の術中にハマってしまったわけですが。
でも……。この本、わざわざ他館から取り寄せしてもらった本なんですよね。
図書館には次のリクエスト本は届いていないし……。
もう少しだけ読みますか……。
と我慢して読み続けたのです。
ディエゴは犬の糞を喰いましたよ。娘を助けるためならなんだってやる!
その後、吐き続けたのですが、とにかく第一の課題はクリアしました。
警察は必死の捜査を続けているのですが、なかなか『怪物』にはつながりません(何人かの容疑者は浮上するのですけれど)。
そうこうしている間に第二の課題が届きます。
今度は指定した中世の拷問具を装着して7時間耐えろというものでした。
警察が医師に確認したところ、とんでもなく苦痛だろう、後遺症は避けられるかもしれないが、身体に深刻な損傷を与えるのは間違いないというのです。
加えてディエゴにはボタンを持たせろと言います。このボタンを押せば拷問具を外すことを許すが、その瞬間、娘に拷問具を装着した上、7時間放置して殺すというのです。
そんなことをディエゴにやらせない! と、ルカモア警部は言うのですが……。
ディエゴはこの課題に耐えられるのか?
ボタンを押してしまうことはないのか?(ボタンは落とさないようにテープで手に留めることが要求されています)
と、まあ、こういう作品なんです。
非常に残酷だし、『怪物』は卑劣極まりない。
なんという作品をリクエストしてしまったのか……。
とんでもなく胸クソ悪い作品だぞ、これは。
ここまで読んだからには、何としてでも娘さんを無事に助けて欲しい。
『怪物』を捕まえて報いを受けさせなければ気が済まないぞ!
と、完全に作者の術中にはめられております。
くっそ~! ここまで読んだら下巻も読むぞ~!
読了時間メーター
□□□ 普通(1~2日あれば読める)/381ページ:2026/03/24
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幻想文学、SF、ミステリ、アート系などの怪しいモノ大好きです。ご紹介レビューが基本ですが、私のレビューで読んでみようかなと思って頂けたらうれしいです。世界中にはまだ読んでいない沢山の良い本がある!
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- 出版社:ハーパーコリンズ・ジャパン
- ページ数:0
- ISBN:9784596748522
- 発売日:2022年09月16日
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