楽しく,かつ勉強になる作品です。私はそもそもテクニカルライティングに興味があったこともあり,引き込まれてしまいました。咲良が職場の先輩に指導を受ける内容など,「そのとおり」と納得し,かつ自分の答えが「正解だった」とほっとしながら読み進めました。
偉そうなことは言えませんし,こんなことを言っては申し訳ありませんけど,会社で見ていると文書が書けない人が多いですね。主語述語,てにをはを含めて勉強しなかったのかなと思うことが多いです。そもそも文書を書くのを嫌がりますしね。メール文化が根付いて随分変わったはずなんですが,未だに電話ばかりしている人もいます。
前置きが長くなりましたが,本題です。短編で一話完結の形で展開します。ある企業の若手の突然死をキッカケにAEDの取扱説明書を作成する仕事が飛び込んできます。それに新人の咲良が教えを請いながら取り組んでいく,そんなストーリーです。ひとことでいうと,こんな話ですが,感動の一話です。私は読んでいて涙を堪えるのが大変でした。他にも,ベビーカーの取説,子ども用の玩具としてのドローンの取説に取り組むなど,考え方も含めて勉強になることばかりでした。
これは小説ではありますが,文書の作成方法の研修材料として最適な作品だと思います。文書作成に興味を持っている方には楽しく読めるはずです。一部,真剣に読み込む必要があるので,ながら読みはしない方が良いかもしれません。とても良いお薦めの一冊です。会社で研修用に配って教材にしたいくらいです。
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