扉子が単独で本の謎を解決するのですが、見張り役の恭一郎君は気が気ではありません。
留守中の両親から「本に関わる依頼は受けるな」と言われている扉子ちゃん。にもかかわらず、急を要する依頼に応じてしまいます。
でも前回のように自分の正義を振りかざすような推理をしなくなりましたね。そこは成長したかな。
第一話 『シャーロック・ホームズの饋還』(岩波文庫)
戦前に発行されたシャーロック・ホームズの文庫本。
依頼主であり篠川家とも家族ぐるみで親しい坂口家から「夫・昌志の父親がなぜ戦場でシャーロック・ホームズを読めたのか」を推理することに。
戦時中は敵国の本は禁止されていました。そこには意外なからくりと短編『踊る人形』が関わっていきます。
第二話 森山大道『写真よさようなら』(写真評論社)
扉子の叔母であり、栞子の妹の文香が登場。彼女の知り合いである樋口佳穂から「亡くなった夫の写真集を買い取って欲しい」という依頼があった。
その中の一冊『写真よさようなら』は今では高値がつく写真集。しかしその写真集は復刻版のもの。すり替わったのか、それとも…。
『写真よさようなら』は、第一巻で栞子さんが大輔くんと出会った時に読んでいた本。なにやら因縁を感じます。
第三話 中原中也『山羊の歌』(文圃堂書店)
文香さんの後輩で、栞子さんが解決した『春と修羅』にまつわる事件の関係者、玉岡昴。彼が購入した『山羊の歌』には、中原中也の恋人だった長谷川泰子のサインが入っていた。
しかし、その本は婚約者に盗まれてしまう。本の行方を追うと婚約者の意外な事実が判明する。
三上延さんは「歴史のif」を描くのが上手い。これまでも幻の乱歩作品などを登場させましたが、どれも「もしかしたらありそう」と思えるんですよね。
そして玉岡昴と文香さんの過去にそんなことが…!
懐かしい登場人物と過去の因縁
今回、初期のキャラクターたちが再登場。
第一巻『ビブリア古書堂の事件手帖』に登場した坂口夫妻や、栞子さんの妹・文香など、懐かしい顔ぶれが揃います。
坂口夫妻の間に産まれた息子さんがもう高校生で、扉子ちゃんと幼なじみなんですって。時の流れるのは早いなあ。
しかし、ただの懐かしい再会ではないようです。
第一部の敵役である田中敏夫も登場。篠川夫妻から要注意人物として恭一郎に伝えられた人物です。果たして彼は今後、ビブリア古書堂に関わってくるのか。
そして、「✔」のついた本の数々。それは今まで栞子さんが解決してきた事件に関わる本ばかり。これは何かの因果を示しているのか。
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