推し活と宗教
『イン・ザ・メガ・チャーチ』では、推し活に沼る人、沼らせる側の人、そして推し活で人生を狂わす人、三人の立場から描かれていきます。
推し活は孤独者の宗教である
『孤独とつながりの消費論』三浦展
この本でもまさに、孤独を感じる人々に「物語」を与え、視野を狭めて、コントロールしてゆく様子が宗教団体の洗脳のように描かれます。
孤独と推し活
私は、登場人物の中でもっとも「信徒ファン」に近いのは久保田だと思うんです。彼は孤独ゆえに視野を狭め、娘を自分の理想像に当てはめています。
実は、娘は自分の仕掛けたアイドルのファン獲得戦略のため、推し活にめり込んでいるのですが。そんなことは知らず、能天気に「自分の娘は他とは違う」を信じ込んでいる。
あるいは、自分を気にかけている人に対し、孤独を解消してくれる対象として偏った愛情をそそいでしまうんですよね。
I am available to You
推し活の仕掛ける側の人間・国見はこう言います。
我々は搾取するのではない。彼らに自分自身を使い切らせてやっているのだ。
「みんな、自分を余らせたくないんです」
これを聞いてゴスペル(黒人霊歌)の『Lord,I’m Available To You 』を思い出しました。神への感謝と奉仕を歌った名曲ですが、こんな歌詞があります。
My storage is empty and I am available to You
私は空っぽです。だから神様。あなたのために私を使ってください。
まさに、もう、推し活こそが、視野を狭めてメガチャーチへ導くのが現代の、そして日本の新たな宗教なのでしょう。
最終的に『イン・ザ・メガ・チャーチ』を読んだ、私の感じたのはこれです。
自分自身が幸せなら、推し活でも陰謀論でも、なんでもしたらいい。
「ただし、絶対常識の範囲内でね。」
岡村靖幸もそう歌ってるよ。
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