う~ん、なんて不器用な作品なんだろう。。。これが最初の感想です。
図書館では三桁予約待ちで、アメトークでは又吉が絶賛し、
Amazonでは139のレビューとその内の評価点1と2が48%の小説。
576頁あって著者は現時点での自分の全て、だと言い切っている。
コレは心して読まねばなりますまい。。。
と、最初は正座して読みましたよ。
カルト教団と穏健な宗教サークルの二つの集団の中で翻弄される
男女の群像、
それぞれの指導者が説く宗教観や量子論のよる世界観。
そして国際的なテロ組織まで引きずったクーデター計画が
動き出します。
なんとなく本書に抱いていたイメージは頭のいいタイプの芸能人が
読んでることをファッションとかキャラとして売りにできるような
スタイリッシュで知的な本。
読むことによって自分は体験組に参加できてちょっと知り合いに
自慢できる本。というものでした。
未読の方は同じように思ってらっしゃる人も多いと思います。
でも違います。。。。
どう言えば良いのか?この本はそういうアイテム的な本では
無いのです。
どちらかと言うと公の場所で読了を公言しているよりも、
もっと、読んでいることが恥ずかしい本、
或いは個人的なプライベートな本。であると僕は感じました。
メッセージ性は強いのですがその方向は社会全体に問う、よりは
読み手一人一人に飲みながら自分の心情を吐露するような印象です。
この本のニオイは太宰とかキタセクスアリスとか、、、そんなジャンルに共通している。そんな気がします。
きっと作者の書いている時の心境も同じようだったのでは
ないでしょうか?
不器用な物語、と言った主旨はその辺りにあります。
作者の思い、生き方、宗教観、
政治や経済のダークサイドに対する意見、
戦争や靖国神社問題などが
次々と登場人物の台詞を借りて滔々と綴られます。
それぞれの人物の凄惨な体験や境遇がディテールたっぷりに
リアル感を持って語られます。
読み手は作者の、書きたい、伝えたいという目一杯の熱量に
読者として相対することを強いられるのです。
まったくスマートでない、不器用で、泥臭い物語。
作者でさえもきっと10年後には、
あんな小説を書いちまってオレってなんて恥ずかしいヤツ。。。
と恥じ入らずにはいられない作品。(でもちょっと誇らしげ
だったりするにチガイナイ。)
そんな稀有な小説を読むことが出来る。
それが教団Xを読む、ということなのだと思いました。
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